本日は、エンジン01の啓蒙活動、エンジン塾で森本敏さんと高野孟さんの対談を聞く。

確かにテレビで聞けない話も(残念ながら許可をとっていないので書けないが)いろいと聞けて楽しい。

ただ、私が疑問に思っていたことが話題に上らなかったので、時間の制約もあり、終わってから森本先生に直接質問してみた。

オバマが中国に目を向けて日本パッシングをやるとか、イスラムや対イスラエル政策がどうなるか、アフガン政策がどのくらい本気かなどが話題になるが、実は、オバマがいちばんやりたいのは、南米との関係改善なのではないかという疑問だ。

一つは、オバマの強力な支持基盤にヒスパニックがあるが、ヒスパニックにとって南米は故郷のようなものだということがある。

折りしも、ブラジルのルーラやベネズエラのチャベスが左翼色の強い大統領であり、ブッシュ政権と強く対立していたわけだが、アメリカのチョンボで反米感情が高まり、またキューバが医療支援をしたり、ベネズエラが石油支援をしたために、南米諸国は軒並み左翼政権の手に渡ってしまった。

かつてのアメリカなら軍事介入をしたところだろうが、イラクのこともあって手一杯だった。

結局、南米が反米化し、南米にEUのようなものを作ろうという動きさえ出てきた。

この悪化した合衆国と南米の関係を改善できるのはオバマしかいないという期待が高いのは頷けることだ。

アメリカも景気の悪さもあいまって、帝国主義、覇権主義から、かつてのモンロー主義に戻る可能性もある。モンロー主義のときでも、南米だけは影響下におこうとした。

要するに、アメリカにとって、遠くの戦争に精を出して、国際秩序の維持をするより、南米をきちんと抑えるほうが、メリットもあるし、国民も喜ぶ。実際、私が留学中に感じたことだが、カンザスの人間はほとんど日本のことは知らない。しかし、南米出身のヒスパニックは多く、南米の状況には関心をもっているのだ。

これらのことを総合してみると、オバマ外交の本丸は南米と思えてならない。

これに対して、森本先生も面白い指摘だと認めてくれただけでなく、日本でそういう見方をしている人はいないと言ってくれた。

前者はお世辞かもしれないが、後者は本当の話なのだろう。

日本も金づるだから、まったく邪険にしないだろうし、現にジョセフ・ナイを駐日大使に指名している。

しかし、オバマも国民も関心はやはりアメリカ大陸なのだということは覚悟しておいたほうがいいように思えてならない。