天皇杯サッカーでガンバ大阪が日本一になったらしい(伝聞形なのはサッカーファンでないので、ニュースも見ていないで、今日の新聞で知ったからだ)。トヨタ・クラブワールドカップの世界3位に次いでの快挙で地元も沸き上がっているそうだ。

私も関西人だから、素直に喜びたいところだが、なんかガス抜きのような気がして素直に喜べない。

私は、前にも述べたようにカープファンだから、阪神はもともとそれほど好きではないが、阪神が弱かったころの関西人のほうが、東京に負けないという反骨精神があった気がする。

私の尊敬する上岡龍太郎師匠が、よく東北の人間が、「小さい頃から巨人しか見ていないもんで、巨人ファンです」というような発言をするのに対して、「巨人しか映っていない野球があるか?彼らには巨人をねじ伏せる江夏や平松が見えないのか?」と言っていたのをよく覚えている。

東京の都合で作られるテレビの意図に騙されてたまるかということだろう。

いつしか阪神は強豪チームとなり、その上、金満球団になった。

すると、彼らが批判していた、金にあかせてよそのチームからいい選手を引き抜いて、自分のチームで育ってた人間を見捨てることを平気でするようになった。もちろん、引き抜かれたチームの痛みをかけらも感じないようになった。弱肉強食が当たり前の価値観を、阪神タイガースの強豪化と引き換えに植え付けられ、東京の横暴に文句を言わなくなってしまった。一時期は、知事までが、何の大阪とゆかりもない中日ファンの官僚がやっていたくらいだ。

もちろん、大阪の地盤低下はひどい。経済ではトヨタの元気な名古屋に負け、人口では横浜以下だ。

大阪をせめて日本2位にしようと、府市合併という話も全く出ない。

そして、住友が三井を救済合併したのに、三井住友(なぜか三井のほうが名前が先だ)銀行の本店は東京に移る。大阪にはメガバンクすらない。みんなで三井住友を見切って、あるいは大阪を裏切って、名古屋に本店をおいたUFJ(これも結局、東京の金融庁の命令で東京三菱に乗っ取られるのだが。竹中は和歌山県人らしいが、まったく故郷を見限り、それどころか日本を見限りアメリカの味方になるような男だ。そのとばっちりで日本がひどいことになっているのだが)を見切って、大阪に本店のあるりそなを応援しようという話にならない。

阪神が、ガンバが強ければ、自分たちの生活や経済はそれでいいのか?東京に隷属でいいのか?地方分権というが、東京の対抗馬がしっかりしないとどうしようもないだろう。

スポーツが強ければ、大学として慶応にいくら負けていてもOK(金儲けは大阪よりうまいかもしれないが)、もちろん東大は眼中になくなった早稲田とそっくりだ。

私はスポーツを否定しないが、スポーツが強くなっても国威は高揚しないし、国が強くならないのは、旧ソ連を見ていたらわかるだろう。

スポーツが強くなって自己満足する大阪では、関西人として情けない。

経済力あっての軍事力であるように(経済が弱い時は戦争はさけたほうがいいということだが)、政治や経済が強いことが一義でスポーツは二義であることを、大阪の人間に忘れて欲しくない。