小室哲哉が逮捕された。

一時代を築いた人ということもあって、逮捕のニュースだけでなく、そのすごい業績が紹介されるのもさすがだ。

贅沢のしすぎを批判する声は強いが、実際は事業の失敗のほうが、はるかに金額は大きそうだ。

むしろ借金の返済のために詐欺事件を起こす、「くそまじめ」さが哀しい。

矢沢永吉にしても、さだまさしにしても、五木ひろしや千昌男にしても事業の失敗でかなりの痛手を負ったが、彼らはコンサートで巨額の日銭が稼げる。

作曲家や音楽プロデューサーというのは、次にあてないと金が入ってこないのが痛い(著作権は、もう売っぱらっていたようだし)。

ただ、本業以外のことで儲けるのは意外に難しい。

人間、何が起こるかわからないことを痛感させる事件だったが、今回の金融危機もさまざまな悲喜劇を生んでいる。

ヘンリー・ポールソンという財務長官は、今回のような体たらくのもとになった金融政策の責任者だが、もともとはゴールドマンサックスのCEOだった。

そして、財務長官になるために、なくなく自分の持ち株を処分したわけだが、結果的にその時価総額は5億ドル弱だったという。まさに財務長官のポストをもらった上に勝ち逃げができたわけだ。

村上ファンドの村上世彰氏にしても、そのファンドを買っていた人にしても、勝っている状況下で、そのファンドが終わった。村上氏はけっこうな資産が残っただろうし、そこでファンド投資をやめた人は大儲けできたはずだ。

つかまっていなければ、逆に素寒貧になっていたかもしれない。

ホリエモン、村上ファンドと次々つかまる中、次は楽天などといういい加減なうわさを流す人もいたが、つかまらなくても、今回の株の暴落は痛いだろう。

自分の持ち株比率を守るために、株を売らずに金を借りてTBS株を買った。

自社株もTBS株も暴落しているから、かなりの痛手のはずだ。

人間、何が幸いするかわからない。

一つだけ確かなことは100%うまくいく金儲けなどありえないということだろう