カープも強いし、言いたいことはいっぱいあるが、今日は何の日という話にしよう。

実は9月21日は国際アルツハイマーデーである。

日本の場合、アルツハイマーということばの響きが極めて悪い

一つには、日本の老年精神医学が遅れていた時代(今でもそう信じているアホが多いのだが)があって、アルツハイマーが奇病の類だと思われていたことがある。

私が医学生のころは、欧米では痴呆(当時は認知症のことをそう呼んでいた)の9割以上がアルツハイマーなのに、日本では脳血管性が3分の2でアルツハイマーが3分の1とか言われていた(ひどいものだと1割とか2割とか言っていた)

おそらくは血管性の認知症は薬が効くとかいうことになっていたので、製薬会社に飲ませ食わせされていた医者(基本的には大学教授)が言い出していたのだろうが、CTが普及して、多発性の脳梗塞があっても、認知症にならない人がたくさんいることがわかっても、しばらくはそれが信じられていた。

私が当時いた老人専門の総合病院では脳の解剖をたくさんしていたので、多発性脳梗塞のせいで認知症になったように見える人でも、実は大脳皮質にアルツハイマー型の変化があることはわかっていた。要するに純粋の脳血管性認知症などほとんどいないのである。

また、私が学生のころはアルツハイマー病と老年痴呆は別の病気と考えられていた。もともとアルツハイマーという病気がはじめて発見されたケースは48歳のケースで、アルツハイマーは若年性痴呆のことを指していたのだ。しかし、脳の変化が同じものとわかってアルツハイマーはまったく珍しくない病気ということが明らかになった。

ということで、85歳以上だと25%から45%がアルツハイマーだというのが地域住民調査で明らかになっている。

私は基本的に脳の老化病と考えていて、それが早く来るとアルツハイマーと言われるのだと考えている。もちろん早く始まるだけでなく、老化が速く進むのもこの病気の問題点なのだが。

日本でもアルツハイマーが200万人もいるのに、何もわかっていない政治家が多い。

今度首相になるおっさんは、「アルツハイマーの人でもわかりますな」と言ったが、この病気は軽いうちは大統領でもできる(現にレーガンは、在任末期には記憶障害が始まっていたはずだ)。しかし、重くなれば、ことばの理解は到底無理だ。首相候補のおっさんの発言は軽い人には侮蔑だし、重い人の理解もない。

アメリカではアルツハイマーの人の結束が固く、財政難の中でもものすごい研究費が使われている。

この、国際アルツハイマーデーもすごい盛り上がりらしい。

日本もアルツハイマーのことが何もわかっていない人が首相になれないように、この病気の人(約200万人)と家族(500万人)が団結すべきなのだが、日本では、前述の理由で、アルツハイマーの告知があまりなされていないから、重症の人しかアルツハイマーの自覚がないのが残念だ。

昨日、私は地方の味方と書いたが、痴呆(認知症などという言いかえをされているが、アルツハイマーには言い換えはない。ことばを言い換えても、理解が進まない限り差別はなくならない)の味方でもありたい。