さて、2日ほど前のブログで、外国の経済がへたっている時期ほど日本はチャンスと書いたが、どうチャンスなのか?

一つは、お金持ちなどというものは相対的なものということがある。

バブル前後の景気のいい日本がロックフェラーセンターを買ったり、外国の映画会社を買ったりして顰蹙をかったことがある。お金のある日本がお金のないアメリカから企業や不動産を買う。これが不愉快に映ったのだろう。

逆に、90年代末に、日本の経済がダメでアメリカ経済のいい時期に、日本企業や日本の有料不動産がアメリカに買われた。一部の愛国者はハゲタカと批判したが、日本人の多くはこれがグローバル経済に参加することなのだというアメリカの理屈を素直に受け入れた。

だったら、今回は、向こうの会社や資産を買ったところで、アメリカさんのいうグローバル経済ですよねと言い返しやすい。

リーマンだって1兆円くらいで売りにでていたらしいし、AIGも国が助けるという話になった前には、株価が1ドル程度にまで下落していた。

日本の大手金融企業や生保会社が買えない金額ではない。彼らの日本の現地法人を買うより、リスクをとってでも、本体を買うほうが、日本にある世界のトップ企業足りえたのだ。

ついでに言うと、日本の強みは、キャッシュフローだろう。

お金の半分を預貯金でもっている国だ。株やファンドのように換金する必要がない。流動性が高い資産をもっているところほど、動きが速くできる。

バブルというのは、後になってからしかわからないという人がいるが、森永卓郎氏のいう逆バブルというのも後になってからしかわからない。

確かに逆バブル期には、銀座でも昭和通りを越したあたり(吉兆の東京本店のあるあたり)が坪300万円かそこらでてていたそうだ。それが今は2000万円。でも、リートが土地を買えなくなると、また1000万円くらいに下がるかもしれない。

確かにリーマンやAIGを買うリスクは大きいが、彼らには一応巨大な金融資産がある。これがさらに下がるリスクもあるが、逆バブルであったとすれば、今は買い時だといえる。

こういう会社に買い手がつかないのは、もっと下がるという不安心理による逆バブルの可能性もあるし、キャッシュフローがないから買いたくても買えないからだという可能性もある。

もちろんプロだから、その辺の検討はしているのだろうが、バブル期であれ、逆バブル期であれ、プロがいちばん判断がつかなくなるのは、その渦中にいるときでもある。

戦前の話を美化するより、今の日本が世界一になるための勝負を打つ人間が出てこないだろうか?それが愛国者というものだと私は考える。