北朝鮮の建国60周年の軍事パレードに金正日が出なかったために、重病説が流れている。

独裁者が倒れることを喜ぶ人が多いが、それはたとえば民衆が立ち上がって倒れたというような場合だけだ。

権力争いで前の独裁者が倒れた跡で、もっとひどい独裁者が政権を握るなどということは、歴史上いくらでもある。

私が見るところ、北朝鮮の軍の幹部よりは、金正日のほうが、まだ外交面でも経済面でも、ましな部類なのではないだろうか?

日本に拉致を認めた(中途半端なのは事実だが)ときも、ちょうど特区を作って、中国みたいになろうとしていた時期だった。

自分たちの旧悪を認めてでも、日本から援助をひっぱって、普通の国にしようという発想があったはずだ。

いろいろな情報を見る限り、これがやぶへびになって、金正日自身も相当軍から突き上げられたようだし、対外開放派の経済テクノラートは失脚か下手をしたら粛清されたようだ。

これで、金正日が倒れて、軍部が政権を握るようだと、国民が飢えても平気という政策になるかもしれない。

どんなにアメリカに嫌われても核開発を進めるかもしれない。

もちろん拉致も認めないだろう。

略奪しか、国を豊かにするすべがないと思えば、38度線を越える(これを金正日は異常に恐れていたようだが)可能性だってある。

この1、2ヶ月、北朝鮮が外交姿勢を強硬なものに変えてきて、アメリカに見捨てられたのも、金正日の健康状態が悪く、軍がイニシアチブをとっているのかもしれない。

変わってから金正日のほうがまだましだったといっても、遅い気がするが。