昨日紹介した朝日塾小学校のように長時間学校があるという話(ここは一日の授業時間が原則7時間である)や勉強をがんがん進み、習熟度別のクラス編成をするという話をすると、子供がかわいそうだとか、勉強ばかりさせてという声がすぐに聞こえてきそうだ。

しかし、勉強がわかっていたり、友達や教師との関係がよければ学校は楽しい。

つまらなくて、息苦しい(たとえば、ちょっと悪口をいったくらいでいじめと言われるとか、勉強ができても自慢してはいけないとか)学校だから、長時間いるのが苦痛なのだろう。

第一、勉強をさせているとひ弱になるというが、勉強をさせなくても、今のご時世は外で遊ばずにゲームばかりするからひ弱になるのは同じだ。

ところが、名門校のパラドックスといっていいのだろうが、勉強をがんがんやらせていると、スポーツで発散させたくなるのか、けっこう体育の時間に気合が入る。

どこの名門校でも、スポーツ名門校ほどは強くないが、一般の学校より体育祭が盛り上がり、運動部に入る生徒も多い。

ふだんがだれているほうが、よほどスポーツをしなくなるものだ。

この学校で驚いたのは、音楽もレベルが高いことだった。歌は確かにうまい。

あと、もうひとつ感心したのは図工の先生がアメリカ人だったことだ。

主要な授業を英語でやる必要はないが、音楽や図工なら英語でやれば一石二鳥だ。

これで、バス代を合わせて年間60万円ならものすごい安さだ。

ところで私立の小学校は公的な助成を一人25万円受けているそうだ。本当は生徒の親も税金をきちんと払っているので(むしろ、公立の親よりたくさん払っているだろう)、公立と同じだけの助成をもらう権利はあると思うが、どちらにせよ、合計で85万円ということになる。

公立学校は、平均すると一人100万円くらいかかっているそうだ。いかに公立が金の使い方が下手かがわかる。

あと、もう一つ感心したことなのだが、いろいろとできのいい教師を集めてきたということだが、公立学校でできのいい先生以上に、塾の先生のほうが教え方がうまいという。

生徒がやめると食っていけなくなるという修羅場をくぐってきた人間はやはり強い。

大分県の教師採用問題もさることながら、塾講師の経験が5年以上ないと(つまり、塾の講師を5年間は首にならなかったレベルであることも意味する)教員として採用しないということになれば、日本の公教育のレベルも確実にあがるだろう。

塾側も講師を雇うコストが下がるので、貧しい人が塾に行きやすくなるかもしれない。