本日は『家政婦は見た』の最終回だと言う

出張先で、きちんと見れないのだが、
私にとっては思い出深い作品だ。

というのは、私が学生時代、16ミリの映画で失敗した(資金が続かず、また段取りが悪いために撮影日数がかかりすぎて頓挫したのだ)祭に、世話になっていた衣装会社の社長から、「そんなことでは、一生映画が撮れないから、段取りのいい映画の現場を経験してこいといわれて、使い走りの口を紹介してもらったのが、大映テレビの現場だった。

そのときの監督は富本壮吉という早撮りの名手といわれた監督だった
全盛期の山口百恵のスケジュールが3日しかあいていないときに、寄りとミドル以上のシーンを全部、その3日でとって、引きのシーンはすべてスタントを使って撮り上げたという伝説の監督だ

現場の手際は抜群だった
毎日5時に現場が終わり、弁当代が浮くので、プロダクションもありがたい

チーフの助監督は現場にいるより、次の現場で準備をしているという感じだった

この早撮りが手抜きかというとそうではない

これが、その『家政婦が見た』の一本目だった

手抜きどころか、土曜ワイド劇場でもっとも長く続き、もっとも人気のあるシリーズになった

そのときに聞いた話は、黒澤明は、撮影日数を延ばしても残業はさせないという話だった

役者やスタッフに疲れを残しても、結局、作品はよくならないという理由だからだそうだ

受験だけでなく、映画も要領だということを教えられたこの作品は、私が『受験のシンデレラ』を作る上での段取りのために大いに役立った

だからなくなるのは残念でならないが、もう25年の日々が流れたのだから仕方もないか