残すもの! 想い出!
日本には四季折々 に行事が有ります
四季に有ったくぎりの様なものや
人生の喜ばしい通過点であったりします
その行事には誠にきものが似合います
おばあちゃまが用意してくれた
お祝いのうぶ着や熨斗目の掛け着
七五三の衣装
十三参りのきもの
!
十九歳の厄落としの黒紋付きもの
二十歳の成人式の家族写真
それらの写真の中で微笑んでいる母の着ているものが
着物で有れば
後からでも祝いの気持ちが透けるように見えてくる
『もう私には 華やか過ぎてしまったから 貴方が着てね』
と母から渡された 薄ピンクの色無地
初めて知った母の女紋
「そうかお嫁入り荷物で持ってきたのだな
我が家の紋とは違う家紋」
きっとおばあちゃまがそろえてくれたんだ
その様子が 微笑ましく想像できる
母はその母から心づくしの支度をもらい
母の母も そのまた母に思いをもらい
きものが繋げる思い出を私が受け継ぐ
だから私は思い出に成る行事には
きものを着て写真を撮ります
今!手元に有る大島紬は
おばあちゃまも母も生きていた時に羽織ったものです
年老いた母の母
若かった母の年をとおに通り越してしまった私が
その着物に帯あわせをして
同窓会に着て行く