NHKスペシャル「体感 首都直下地震」。ドラマを交えた4日間を見た。

 

やはりB級パニック映画の域を出なかった。

 

ドラマ後のスタジオ部分についても、どうやったら命を守れるのか、どう逃げたらいいかの解説が少なく、「大変だ」で終わってしまう内容。

 

例えば、火災旋風は脅威であるから火災旋風から「事前に逃げろ」と言うが、具体的に発生の可能性が強い地域でどの方向にどうやって逃げたらいいのか全く分からない。

 

感震ブレーカーの活用などで火災を防ぐことにより被害が減るなどのデータは具体的に示せていたが、その他の事象は命を守るすべも含め「別番組でご覧ください」との案内で、番組としての完成度が低かった。

 

救助はどのように行われていくのか、それまでに命を守るためにどう行動するのか、緊急車両を通すために何をしなくてはならないのか、などの部分も希薄。

 

しかも、救助にあたる消防は描かれたのだが、自衛隊のことは全く描かれず。

 

自衛隊はスタジオの背景映像でほんの一瞬、災害派遣の車両の映像が流れたがだけで、その他は全く触れられず。

 

ドラマ自体は不安を煽るだけの内容で、ドラマが放送局の中の話で展開されるので、実際に地震が起きた現場でどうなるのかの描き方も弱かった。

 

何か新しいことをやろうとしたのか、お金をかけて変化球的になってしまったNHKスペシャルであり、NHKスペシャルのレベルもこうなってしまったのか、と率直に感じた。

 

熊本地震の初動の報道でも、NHKより日本テレビのほうが現地の状況がよくわかり優れていた。

 

NHKのレベルは緊急報道や防災でもどんどん落ちていくのだろうか。