米朝首脳会談以降の動きについて述べたいと思いますが、米朝首脳会談では非核化についてどこまで話し合われたかについて判断の一助になる写真があります。

 

トランプ大統領と金正恩の米朝首脳会談後の米朝拡大会合の写真ですが、

北朝鮮側からは金英哲・党統一戦線部長のみならず李容浩外相、李洙墉・党国際部長(前外相)が参加し、

アメリカ側からはポンぺオ国務長官に加え、ケリー首席大統領補佐官、ボルトン国家安全保障担当大統領補佐官が参加しています。

これは、実務的に北朝鮮の非核化とは何するのかを詰めたことを意味していると考えられます。

 

ポンぺオ国務長官は韓国訪問時における記者ブリーフィングで、

『「完全な非核化」は、全ての関係者の頭の中では、検証可能であることをも含意していることを保証したい。「完全な非核化」は、検証可能であること、不可逆的であることも含意している』と明言していることから、この拡大会合の場でこの確認を行ったということです。

 

しかし、日本のメディアではこの部分はほとんど報道されていません。

 

日本のメディアは、「不可逆的な非核化」と合意されてはおらず、アメリカが譲歩して非核化について「なあなあ」の合意で言質も取っておらず失敗だったと述べたいのかもしれません。

 

また、ポンぺオ国務長官は、記者からの「合意事項についてアメリカと北朝鮮でズレがあるのでは」との問いに対し、

「私は北朝鮮が、我々に何をする準備があって、逆に準備しそうにない僅かな事項が何かを理解していることに自信がある。しっかりとした検証が行われることになる。」

と述べました。

 

この発言からは、アメリカは北朝鮮の言い逃れ方を分析し、それをさせない交渉をしたことがうかがえます。

もちろんこの前提には、安倍総理から過去の北朝鮮の行動など、正確な情報がトランプ大統領とアメリカ側に打ち込まれていたことがあると言えます。

 

また、ポンぺオ国務長官は「絶対にトランプ大統領の1期目のうちに、今後約2年半以内には主要な非核化を達成しうると期待している」と述べ、アメリカの国務長官が期限を区切ったことは重要な意味を持ちます。

 

北朝鮮が非核化を確実に進めるために、アメリカは打てる手を打ち続けるはずですので、注視していかなくてはなりません。