今日の朝刊2紙で巨大防潮堤問題が一面トップ。
産経新聞は、1面と3面で分厚く取り上げました。

1面トップで岩手県鍬ケ崎の異様な直立巨大防潮堤の写真(ネット版は写真がありませんが)。
そして、宮城県松島湾にある野々島での防潮堤計画に対する住民の動きについて詳しく伝えています。

私も野々島に何度もうかがって相談を受けたりお話をしていますが、住民による見直しの声は、過去の津波との比較も合理的かつ論理的で説得力があります。

津波が襲ってくる方角では県の計画通りの高さ4.3mで合意。一方津波が襲ってくる方向と逆側にある島の港では2.3mとすることを住民は求めています。
防潮堤の高さの基準となっているチリ津波などで、港側からの浸水の記録が無い、対岸の松島海岸などの防潮堤の高さが2.1mであることから住民が求めているもので、県は防潮堤の余裕高としている1mを削って3.3mならという話をしているということですが、海も全く見えなくなり観光にも漁業作業にも響くことを考えると住民にとってこの1mの差は切実です。

その他、記事では、私が質問した気仙沼・野々下海岸の防潮堤で形状が国と県で違うため追加工事が必要になったことなどが取り上げられています。

防潮堤工事は震災の年に急いでまとめられた当初計画のまま進めたことが、様々な問題を生じさせています。
人命を守ることと地域の持続性を考えて、途中で住民としっかり話し合いながら見直しをしつつ地域に合う形に改善し進めていればこういうことにはなりませんでした。

今も見直しを求めている地域については、ようやく県が話し合いを繰り返すという状況になりましたが、異様な巨大防潮堤は各地で完成しつつあります。

完成したものを見て、こんなはずではなかったのにという住民の声も多く聞きます。
引き続き防潮堤のあり方を問うていきます。


「高い防潮堤 何を守る 海も生活再建も…姿見えず」(産経新聞)
http://www.sankei.com/life/news/160103/lif1601030020-n1.html