皆様、今年一年誠に有難うございました。
今年の質疑や活動で得られたもののいくつかを記します。
野党議員でも出来ることは多くあると実感した一年でした。

まず、今年上半期を中心に取り組んだことが、戦後70年談話に向け、村山談話のおかしさを明らかにすることでした。

これについては質問主意書や予算委員会で、村山談話で述べられている「侵略」と「植民地支配」の定義は何か、我が国が行ったどのような行為を指すのかを質問。これに対して政府は「定義については様々議論がありお答えすることが困難」との答弁。「侵略」と「植民地支配」については定義ができず具体的行為も述べられないとの政府公式答弁が初めて得られました。

また、藤岡信勝先生などと立ち上げた村山談話プロジェクトでは関係者に聞き取りを行い、これまで言われていた平沼赳夫運輸相(当時)、島村宜伸文相(当時)をはじめとする方々への事前の根回しは全く無かったこと、閣議において「異論は無いか」と二度念押ししたと主張している野坂浩賢官房長官(当時)の話は事実ではないこと。すなわち村山談話は秘密裏に準備され唐突に閣議に提案され、どさくさに紛れあっという間に閣議決定されてしまったことを明らかにしました。

さらに、アメリカ議会上下両院演説で安倍総理が述べた「痛切な反省」とは我が国が行ったどのような行為を指すのかを質問。政府答弁は、対象行為は特定できず一般的に述べたとのこと。
その他にも関連した質問を行い、「侵略」「植民地支配」については定義できず具体的行為も示せないとの政府見解を積み上げていきました。

そして8月15日に安倍総理談話が出て、私が削除を求めていた外務省ホームページ「外交問題Q&A」の中で述べられていた「侵略」「植民地支配」の文言が削除されました。

また、安倍総理談話において「戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を、この胸に刻み続けます」と述べたことについて、これらの文言が指す女性には、満州・朝鮮・樺太・千島列島などにおいてソ連軍による暴行等悲惨な体験をした日本人女性が当然含まれると思うが政府の見解はどうなのかと問い、菅官房長官から「尊厳や名誉が深く傷つけられた戦争の中の全ての女性である」との答弁がありました。

今年後半は、やはり安保法制。
政府と反対野党の議論がかみ合わない中、私は日本の抑止力を高めるための質問に集中。日本が行使する集団的自衛権の対象に、南シナ海での機雷掃海が含まれるとの安倍総理答弁を得ることができ、南シナ海で中国に勝手をさせず抑止力を高めることにつなげることが出来ました。

また、参議院での審議が荒れる中、我が党や新党改革が中心となり修正協議を提案。与野党5党の枠組みで安保法制を可決成立させることが出来ました。

参議院選挙制度改革においても、我が党などが中心となり6増6減2合区案を提案。参議院自民党が主体的な提案を全く行わない中、違憲無効判決を出さないための提案でした。私の宮城県選挙区は定数2から1になりましたが、やるべきことはやらねばならぬの信念のもとの提案でした。

私が政調会長となってから掲げてきた大学生に対する給付型奨学金制度の創設については、4月の予算委員会で下村文科大臣より「創設に着手したい」との答弁を勝ち取ることが出来ました。奨学金を活用せざるを得なかった大学生が社会に出る時に、200万円も300万もの有利子借金を抱えて返済に苦しむ姿は異常です。予算が絡む質問に政府が実現を約束する答弁はまずあり得ませんが、下村文科大臣は踏み込んでの答弁でした。政府は来年度は無利子奨学金の拡充を行うとのことですが、給付型奨学金の早期の実現を図っていかなくてはなりません。

また、私が議員になってからずっと取り組んでいる被災地の巨大防潮堤問題。国土交通委員会を中心に繰り返し質問を行い、住民合意が出来ていないのに出来たと宮城県が押し切ろうとしている地域や、巨大防潮堤がそもそも政府の中央防災会議の考え方と違うことなどを追及してきました。国は、事業主体である県が決めるべきことと宮城県に投げ、県の姿勢も相変わらずですが、高さを下げて欲しいと主張する住民が代替案を示せば(本来は県が示すべきですが)、県は話し合いに応じ一部の地域で妥結もみられています。一方、巨大防潮堤による漁業への影響も具体的に見られてきました。真に命を守るためには何が必要なのか、地域経済や環境を守るために何が必要なのか、来年も繰り返し質問や提案を行い、政府や県の姿勢の転換を促します。

そして、被災地の復興に向け、復興公営住宅のあり方やコミュニティ形成について宮城県岩沼市などの先進的事例をもとに質問・提案をしてきましたが、その後、国土交通大臣が視察に行くなど、私が質問した事例の考え方も今後取り入れられていくはずです。

皆様、来年も何卒よろしくお願い致します!