昨日は午前中、大崎市鳴子温泉と鬼首を結ぶ国道108号線花渕山バイパスの開通式(着工から27年の難工事)に参加。


その後、塩竈の浦戸諸島に渡り、計画されている防潮堤の高さを下げて欲しいと願う住民の方々にお話を伺ってきました。
8月以来の再訪でした。


特に野々島では、島の顔とも言える港の周辺に高さ4.3mの防潮堤が計画されており、これまでの住民の一致結束した宮城県との話し合いにより、県は3.3mまでは下げる可能性を示唆しています。


しかし、それでも身長をゆうに超える高さであり、漁業作業面や観光のことを考えると、住民は何とか2.3mまで下げて欲しいと考えています。


県による高さ4.3mの根拠は、7㎞離れた対岸にある塩釜港最奥部のチリ地震津波時(いわゆる100年に1度の津波)の高さ3.3mです。これに余裕高の1mを積んだというものです。


しかし、津波はすぼんだ形の湾の奥では高くなるのは当たり前で、1960年のチリ地震津波での塩竈の他の地点での最大観測値はほとんどが2m台です。


野々島でチリ地震津波を経験した方の話でも、高さ1mも無い防潮堤でチリ津波は止まっています。(写真2)


また、同じく野々島の対岸であり塩釜のすぐ北側の松島海岸や浜田漁港では、景観上の理由や島々による津波減衰効果を理由として、高さ2.1mで防潮堤が整備されることになっています。


野々島では港と逆側にある津波が襲来する太平洋側の入り江では、4.3mの防潮堤計画を飲んでいます。

津波襲来方向とは逆にある港では、津波が低くなるのは常識で、過去の経験からも対岸と同様の高さまで防潮堤を下げることが可能であるとの野々島の方々の論拠は説得力があります。


島の経済を終わらせないためにも、島の玄関口である港周辺は低い防潮堤でという住民の一致結束した願い。論理的にも高さを下げることは可能ですので、県は聞き入れて欲しいと思います。


引き続き住民の方と意見交換をし、必要な材料を提供し、サポートしていきます。