昨日の朝日新聞社の木村社長の謝罪会見。吉田調書についても慰安婦報道についても、遅きに失した謝罪でした。
本日朝刊の記事の分析を進めており、それは後刻また書きたいと思いますが、まず昨日のテレビ朝日「報道ステーション」による朝日新聞の慰安婦報道の検証リポートについて述べます。

番組でそれなりの時間を使ってこの問題を取り上げたことについては、一定の評価をしたいと思いますが、“慰安婦については強制性があったので日本は悪い“という方向性を持ち、違和感を感じました。

私は、業者にだまされたり親に売られたりして、意に反して慰安婦になった女性はいると捉えています。本当に痛ましいことです。しかし、日本が国家として、慰安婦になることや慰安婦であることを強制したことはなく、そうした点を否定する立場です。

一方、番組では、出来うる限りこれまでの報道を踏襲しようとする内容でした。
番組では、古舘キャスターが「私としても番組としても、強制的あるいは強制性と表現できるようなさまざまな事があったという立場を取っている」と述べましたが、どんな強制性があったのか、業者による強制なのか国家による強制なのかは明示されないまま、不明確な論拠に基づいて述べています。

また、河野談話、クマラスワミ報告は吉田証言に大きな影響を受けていないという論を番組で展開し、元慰安婦からのヒアリングが河野談話や報告書の根拠につながったと述べていますが、吉田証言の一連の朝日新聞報道が全体的な流れに大きな影響を与えたことについては検証していません。

また、“国際社会は日本が戦時下に女性に売春をさせ人権を侵害したことを非難している“との論を、東郷和彦氏の話などから展開していますが、戦時下の女性の問題は各国に共通する問題であり、日本だけでなく各国でも向き合わなくてはならない問題です。

「報道ステーション」には、明確な根拠のもと、一方的にならない報道が求められます。