防衛大学校における授業「アジアにおける域内安全保障協力の現状及び将来」についての質問主意書を提出しました。

質問主意書は、国会議員が内閣に対し質問する文書です。
この授業「アジアにおける域内安全保障協力の現状及び将来」は、ワンアジア財団なる団体が助成をして設立された講座ですが、その内容に問題があることは5月12日の決算委員会でも質問しました。

ワンアジア財団は、基本理念の中に、「国家」や「国民」という概念に縛られることなく、多民族・多文化で構成される市民社会の中で生きることが求められることをうたっています。そのために「将来のアジア共同体の創成に寄与するという共通の目的を有する団体に対して、助成を行う」としている団体です。

これが一般の大学の教育であればまだしも、自衛隊は、国民の生命と財産を守るための組織であり、その幹部自衛官を養成する防衛大学校において、国家や国民の概念に縛られないとの基本理念を持つ団体の助成の下で、このような講座が開講されていることには、疑問を呈さざるを得ません。しかも講座の内容も、この団体の理念に沿った内容を教えるものになっており、講師による竹島や尖閣諸島に対する発言は、政府の見解と大きく異なる内容になっています。

私は、防衛大学校の教育は本来はしっかりしたものだと思っていますので、こういった質問をあまりしたくないのですが、由々しき事態は正していかなくてはなりませんので、この問題を取り上げています。

今回の質問主意書の主な項目は、


・防衛大学校が本件講座を設置した経緯について。本件講座は、防衛大学校からワンアジア財団に対して設置を申請したのか、それともワンアジア財団から防衛大学校に設置が働きかけられたのか。

・ワンアジア財団が本件講座に対して行った助成総額(費目を含む)を明らかに。

・本件講座には、複数の講師が招へいされているが、報酬などを含む招へい費用を明らかに。また、ワンアジア財団は招へい費用を全て負担しているのか、それとも一部のみを負担しているのか。仮に一部のみを負担している場合、防衛大学校とワンアジア財団との費用負担の内訳を明らかに。
です。

私が国会で取り上げて以降、なぜか防衛大学校の講座の概要が見られなくなっていますが、参考までにワンアジア財団が日本の各大学においてどんな講座を行っているかご参照ください。

http://www.oneasia.or.jp/a/index.html