本日の決算委員会の質問。
主に、防衛大学生に無断で海外に渡航している学生がいるのではという疑惑と、防衛大学において正規授業に導入されているワンアジア財団の寄附講座の問題点について質問いたしました。

噂レベルのものは質問できませんので、本日までに事実確認が出来たものと、確認できないものは証言が確実にあるものについて質問をいたしました。
本来はこういった質問はしたくなかったのですが、国防機密が流出する危険性と防大生の教育上かなり問題があることから質問しました。


防衛大学生のなかに海外に無断で渡航している学生がいるのではという件については、
防大生が海外渡航する場合、事前に学校に届け出をしなくてはならないのに、していない学生がいるのではないかという点。さらに、帰国時などにパスポートチェックをしているのかという点を聞きました。
防衛大臣よりパスポートチェックは帰国時にしているとの答弁でしたが、定期的に全学生のパスポートをチェックしているわけではなく、無断で渡航した場合はわからないという趣旨の答弁でした。

さらに、ある防衛大学生が、大学の外に一人でアパートを借りて、そこに不特定多数の人物が出入りしているのではという話について質問。大学の外にアパートを借りることは、学生が外出する際の着替えなどの必要性から構わないと思いますが、通常は県人会や出身高校ごとに複数の学生で借ります。防大生の給与が手取りで約8万円であることから考えると、1人で借りるというのは難しいはずです。
しかも、この学生は、中国に何度も渡航しているという話があり、しかも無断で行っているのではないかという懸念があるため、事実かどうか確認をいたしました。

これについては、防衛省は、今のところそういった事実は確認できないとの答弁。

しかしながら、関係者から具体的な証言がありますので、私のほうでさらに調査をいたします。


次に、防衛大学の正規授業に取り入れられている、ワンアジア財団の寄附講座「アジアにおける域内安全保障協力の現状及び将来」について聞きました。

この講座は、アジア共同体創設に寄与することをうたっていて、わざわざ防衛大の授業に導入させたのには何か意図があるのではと疑問が湧く講義内容です。

この講座のある回では、学生から、近隣諸国との関係改善に対する質問が出ましたが、その質問の答えとして講師が、「竹島に関しては行き過ぎたナショナリズムによって国益を損なわないことが重要だ」と発言をしており、さらに、「日中関係に関しては、尖閣諸島を海洋保護区にするという提案を中国側にしてみてはどうか」と発言しています。
尖閣を海洋保護区にするのは一つの考えですが、日本の領土領海ですから日本が決めればいいわけで、中国に提案する必要は全くありません。

また、別の回では、講師が、なぜアジア共同体が必要なのかということを解説し、アメリカに依存しないアジアを形成するべきであると述べています。
さらに、この講師は、国境にとらわれるなとか、他の民族や異文化に対する内なる壁を取り壊せといった、我が国の自主性だとか独立性を超えた考えを持つべきだと言っています。

政府の姿勢と違う内容で非常に問題であるが、どうか?と防衛大臣に問いました。

大臣からは、内容については確認するが、多種多様な考えを知るために問題ないという趣旨の答弁でした。

今回の質問により、問題が是正されれば良いですが、そうでなければ調査を続け正すべきところは正していきます。
幹部自衛官は、国防の礎ですので、防衛大においてはしっかりとした教育のもと幹部自衛官を要請することを望みます。