はじめに
ブレーキを買いました。
TEKTRO MD-C550です。
今日もメ○カスで値下げ乞食して、完成車外し品を\7,000で手に入れました。
よくエントリーグレードのディスクロードの完成車に付属していて、
「効かない!止まらない!機械式はクソ!油圧最高!」
と酷評され、すぐに交換されがちな機械式ディスクブレーキです。
今回は、そんな世間の評価は本当なのか検証したいと思います。
油圧の方がいいと巷では言われます。
たしかに引きの軽さや制動力は絶対に油圧の方が上です。
一方で、油圧はブリーディングが面倒だし、タッチ調整はしにいので
街乗り用には使いにくく無駄かと思います。
今回の取り付け先は、60km/hで下る車体でもないですし
バカみたいなロングライドをする車体でもありません。
街中の信号やちょっとした下り坂で止まれれば十分です。
よって、今回は整備性とタッチを重視して、
対向ピストンの機械式ディスクブレーキという選択をしてみました。
グレードごとの比較
ちなみに基本的な構造はTRPのSPYREと同一です。
グレード順に特徴は以下の通りです。
MD-C550
○ブランドがテクトロ
○パッドはテクトロの安いヤツ
○パッドの固定が割ピン
○逆に安っぽく見える艶あり塗装
○重量:155g
○定価:税込 \7,150
TRP SPYRE-C
○完成車向けのバルク品(と言われる)
○パッドがTRP
○パッドの固定はボルトとスナップピン
○アジャスター出口にブッシュが付属
○表面はT6処理
○兄弟品にポストマウントかつMTBレバー用のSPYKEがある
○定価:不明(相場は\10,000~)
○重量:不明
TRP SPYRE (MD-C650)
○一般販売品のグレード
○アームの処理がアルマイトシルバー
○パッドの上にカバーが付属する場合もある
○フラットマウント、ポストマウントの二種類ある
○重量:150g
○定価:$79.99 (\12,000)
TRP SPYRE SLC
○最高級グレード
○キャリパーの処理がポリッシュされたガンメタアルマイト
○アームがカーボン
○ワイヤーの固定ねじがT25のトルクス
○フラットマウントとポストマウントの二種類ある
○重量:149g
○定価:$104.99 (\15,700)
MD-C550以外は所有していないので、制動感の違いはわかりませんが、おそらくそう大きくは変わらないはずです。
SLCはアームがカーボンでかっこいいですが、アルミよりたわみやすく、制動力が落ちるみたいな話も見かけたのでなんとも…
あとカーボンになったところで言うほど軽量化にもなってないし安くもないので、評価がしがたいです。
つけるまえ
内部です。
パッドのリターンスプリングは、ピストンのねじ部にコイルスプリングでも仕込んでるのかと思ったら、
どうも銀色の板バネが仕事をしているようです。抜くと戻らなくなったので…。
割とスプリングレートは硬めで、他の機械式DBより引きの重さを感じる原因のようです。
また、引いた際に若干ざらついた感触がするので、おそらく内部の精度や処理もそこそこなのでしょう。
A10.11と書かれたパッドです。
ベースが鉄でずっしりとした重さを感じます。
コンパウンドはメタルです。
シマノのワイドタイプと互換がありますが、
リターンスプリングと干渉するので、フィン付きのパッドは使用不可です。
またパッド固定用の割ピンがクソ硬くて くるくる回り、付け外しがしにくいです。
基本的に完成車向けなので、頻繁にパッドを付け外しすることは想定していないのでしょう。
パッド自体はピン抜いて下に押し出せば簡単に抜けます。
取付は逆の手順を踏めばいいです。
コスト削減のために固定ピン部にねじは切られていません。
なので、ボルト化は不可能です。
このように、細かい部分で確かなグレード差はあります。
一方で、その差に数千円の価値を見いだせるかというと、
そこまでではないかなという印象です。
では、実際に組み付けて使用してみましょう。
組付けた車体は、FELT VERZA SPEED40(2018)で、前後フラットマウントの車体です。
また、ブレーキレバーはSHIMANO TIAGRA BL-4700で、
C/Rのモード(キャリパー・カンチ・ロードメカニカルディスク)でタイコを固定しています。
アウターケーブルはシマノのM-SYSTEMで、ブレーキレバーの付属品です。
ローターはPROMAXの完成車付属品で、6ボルトで前後ともに160mmです。
取付に関して
取付に関して特に難しい部分はないです。
仮付け→ワイヤー張り→ブレーキ握った状態で本締め→左右のクリアランスの微調整→ワイヤーの張りの微調整
という感じで組みました。
油圧と違って取付と調整が簡単なのが魅力的です。
【追記】
リアの効きがどうしても重たくなるのですが、リアだけワイヤールートの関係からか、つまりが生じて、アジャスター部の内部でインナーケーブルが接触してしまい、引きが重くなってしまうという症状が出ていました。そのため、
- たるみのないよう、強めにワイヤー張る
- 軽くアジャスター径を拡張する
- 接触部に薄くシリコンオイルを塗る
これらによって少しはましになりました。
効きに関して
安いキャリパーブレーキに似てる印象です。
具体的に言えば、ティアグラのリムブレーキと同じ効き方をする印象です。(よけいにわからない)
効く効かないの問題というよりは、コントロール性がないというイメージでとらえてください。
普段乗るロードのブレーキは、前がアルテグラ、リアがSPEED STOP(→こちら)なのですが、
それらとMD-C550を比較すると、絶対的な制動力もコントロール性もない印象です。
ローターにパッドが当たる瞬間はカチッとしていますが、そこから直線的にブレーキが効くイメージです。
高いブレーキは、曲線的に効く感じで、コントロールの幅が広い印象です。
もしかしたらメタルパッドからシマノのレジンなどに変えるとまた違った印象になるのかなという感じです。
雨とかの悪天候でもあまり効き方は変わらなかったです。ディスクブレーキのいいところです。
雨のリムブレーキなんてまじで効かないですから。
その他もろもろ
引きに関しては、重たいと聞いていたのですが、紐引きの中ではいたって普通です。油圧に比べたら確かに重たいですが。
フラットバーでの運用なので、ドロップハンドルだと重たいのかもしれないです。
あとは、対抗ピストン式なので、ローターのゆがみが出にくいのは感動ものです。
強くブレーキした後でもシャンシャン鳴かないのは最高です。
まとめ
いたって素直なブレーキだな、という感じです。クセがなく、オールマイティに使えます。
一方で効きやコントロール性はそこそこだけど、街乗りで使うなら十分だと思いました。
機械式ディスクブレーキも、メリットデメリットを理解すれば大きな選択肢の一つなると感じました。