莫言自撰短編集(白い犬とブランコ)☆☆☆☆☆
莫言(モオイエン) 訳吉田富夫 NHK出版
2003年10月初版 1700円+税 作者紹介
高密県東北郷なる文学王国を創建→文学領土とする。
飢餓と孤独がわが創作の財産である。
「涸れ河」 (枯河 ) ・「洪水」(秋水 ) ・ 「夜の漁」( 夜漁 )
「豚肉売りの少女」 (屠戸的女児)より
足のはえていない少女は、母と外公(ワイゴン ・母方の祖父)と犬の引く外車
に乗せられ 母と外公が落とした肉を売りに行く市に行く
母ちゃんの手は生の豚肉のいい匂いがした。わたしはその匂いを嗅いで育った
母ちゃんの手 は冷たくてとても大きくその手の中で、私の顔など毛も生えてい
ない雀の子だった。
焼餅を食べるときはいつも湯(ター・スープ]は飲まなかった。 肉を売り切って
から炉包(ルーパオ・屋台の軽食)を食べるとき母ちゃんがおつゆをこしらえて
飲ませてくれるからだ。)大きな油の粒を浮かせた火傷しそうなおつゆ
うちのクロは村でも県でも省でも一番ピカピカな幸せな犬だった。だって豚の
血を飲み豚肉を食べて育ったんだもの。
やがて、母は外公を殺し、私は「私のお父さんは外公なの?」と聞いた




