「お隣のニジューハチゴー先輩、ったら、朝からいないのよ」
「何、少し体をずらしてね、見るから…………、まぁ、本当だわ、いないわね」
「ちょっと、これ、なに、羨ましい、ってこと、あれかしら、お嫁入りってこと?」
「先輩から順番ってことでしょうけど……お嫁入りよ」
「まぁ、でしょうねぇ、美しい毛並みだったし、よく歌っていて、上手だったわ。やっぱり、誰が見ても魅力では一番だったもんね」
「歌ね、ビールを飲んだ後なんか、可愛らしく歌っていたわね。私たちもつい聴き惚れちゃったりして、モーって高音部で歌うのなんて、誰もできなかったわね」
「それに、スタイルも最高だったし」
「私たちも、あの奴隷どもが持ってくる藁をしっかり食べましょ、食べましょ、藁を。男の目を惹きつけるのは、やっぱり脂肪なのよ、脂肪」
「ほんと……でも、先輩、いなくなって寂しいわね。ニジューハチゴー先輩、幸せを祈るわ」
28号はA5のランクに指定されて、今後、市場に出ることになる。