「パパ、僕なんて、僕なんて、何の価値もない」
「息子よ、何だ、そうメソメソするな」
「勉強できない、スポーツできない、ゲームも下手、顔もスタイルも悪い、ダメダメな僕だ」
「そうかぁ?」
「そうなんだよ、僕は何の価値もない。エーン、何の価値もない」
「いや、そうではないぞ。よく聞け」
「何だよ」
「いいか、人間の心臓は四千万円、すい臓七百万円、肝臓二千万円。 肩と手がそれぞれ十万円、骨髄は1グラムあたり三百万円。 その他の臓器や血液を全部合わせると、総額はなんと四十億円を超えるかな」
「…?」
「息子よ、君は四十億円の価値があるのだ、泣くんじゃない」
「パパ………賢い馬鹿?」