先日、とても印象的なセッションがあったので、そのことについて記事を書きます。

小学生のお子さんとのセッションだったのですが、到着したときに超々ご機嫌ナナメで、ともかく喋らない、という状況でした。お母さんに聞くと、遊んでいたところを中断して、セッションに来なければならなかった事に、腹を立てているとのことでした。お母さんとも一言も喋らず仕舞いで、セッション場所に到着。

セッション始まって、最初お母さんと話していたのですが、お子さんはまるっきり会話に参加せず。いざ、お子さんと1to1で関わる事にしましたが終始無言です。前回の宿題の話や、2週間の近況を聞いたり、今日やろうと思っていた、すごろくセッション(すごろくを使ったコーチングセッション)の話や、以前にやったライフチャートの話等々、色々こちらから話かけてみても、無言・・・言葉でない反応はあるので、ある程度のってくれているか、全然興味ないかはわかるともの、会話にはならない・・・。

それならばと思って、自分の近況や、自分がすごろくセッションをセルフでやってみた話などをしていきます。それでも、反応はあるけれど無言のまま・・・。この時、一つ心に決めていたことがありました。それは、「たとえ最後まで話さなくてもオッケーだしこの子に関わり続ける」、「必ず話したい話がある、そこにたどり着いていないだけ、話したい話を見つけるのを諦めない」、というものでした。

クライアントさんが話してくれないセッションほど辛いものはない。それでも、その場に立ち続けていられるのは、クライアントさんの事を信じているから。
それに、クライアントさんが席を立たず、この場に居続けていてくれるという事が、なにより自分との信頼関係の土台が作れているという事だからです。非言語だけど、反応を返してくれていて、自分の話は聞いてくれている。心の扉の開け方が外れているだけ・・・。押しても引いてもあかない扉が、実は引き戸だった、みたいに・・・。

この日は60分ちかく言葉無しでしたが、セッションすごろくの中にある、「憧れの人は?」という質問をしていた時に、「憧れの人なんていないもん」と、この日始めて口を開いてくれた瞬間がありました。そこをすかさず、「そうかー、憧れの人なんかいないよね。」という話から、「それじゃあこの人だけは嫌って人はいる?」「お母さんとか、ぶっちゃけどうなの?」という話へ繋ぎ、本人が話したかった話「引っ越し先の部屋をどうしたいの?」へ繋がりました。

そこからは、自然と部屋の見取り図を書いてくれ、夢の部屋の話を次々としてくれました。本当はどうしたい?その中で大事な事は?今の現状でも叶えられることは?そのためのアクションは?と、コーチングのプロセスが、残り30分で一気に進みました。まるでコップの水が限界までたまり、一気に流れるかの如く・・・。

セッション終わった後には、無言だったお母さんとも、私こうしたいんだけど、という主張も話すし、お母さんのことをくすぐる仕草も。その後のメッセージで、お母さんから「出かける前は一言も喋らなかったのに、元気一杯になっています。感謝で一杯です。」との感想も頂きました。


例え無言でもクライアントさんを信じて待つ。無言で語りかけてくれている事を聞き取る。大切なのは何を話すかより、クライアントさんとの信頼関係を築き、どんな自分でもオッケーだし、何を話しても安心という場を作る。その事で、クライアントさんは必ず応えてくれる・・・。
信念を力強く後押ししてくれるセッションでした。

素敵なセッションの場を一緒に作れたことに感謝で一杯です!