【Jeff Beck考察。ギターソロの構築】 | それ行け・わっくん。

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「Jeff Beck」

 

今朝お亡くなりになったと知りました。

 

彼に関してはみなさま様々な想い・思い出があると思います。

そしてボクもギタリストとして書きたい事が山のようにあるのですが、

今回は彼のアドリブ・ソロの構築についてのみ、思うことを書いてみたいと思います。

 

 

 

まず彼の特徴としては分かりやすく、真っ先に思い付くのは

「指弾き」「アーミング」(特にGuitar Shop以降)という方も多いと思いますが

ボクは

「フレーズのつながり」

という点がこの人の1番の特徴であり、魅力だと思ってます。

※ここでは作曲方ではなくアドリブ時に限った話で進めさせていただきます。

 

 

 

 

 

そしてこの話を進める上でまず

アドリブの一般常識から書かないとなりません。

 

 

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ギターの(音楽の)練習、勉強をしていくと

フレーズの模倣といった内容に行き当たる事が多々あります。

 

1つのフレーズをモチーフにフレーズを発展させていく。

 

 

 

もうちょっと分かりやすく例を挙げてみると...

 

 

①弾いたフレーズのリズムを引用して、音の並びは変えていく

 

 

 ex)ドレーーミ レミーード ドレーーレ レドーーミ(全て同じリズム)

 

 

②逆に、弾いたフレーズの音階を引用して、色んなリズムで発展させていく

 

 

 

 ex)ドレーミ ドーレミ ドレミドレミ ドーーレミーー(全てドレミ)

 

 

 

こうする事によってアドリブの中にストーリー性が生まれ、

その場で作曲してる様なソロを作りやすくなります。

結果それは、気付かない内に「聞き手が安心する」事にも繋がってます。

 

これはアドリブソロの基本として多くのプレーヤーが実践しているし、

自分もそこは意識して弾いている事が多いです。

 

 

 

また、長いソロやサイズの決まってないソロの時などは少なめの音、小さめの音から入って

じわじわ盛り上げていく。

そして前述のように「フレーズの模倣」を上手く使い、聞き手を飽きさせないようにソロを構築していく。

これが当たり前になってたりします。

 

 

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ここまでが「一般的」に使われるアドリブソロの手法。 ※もちろん例外あり。

 

 

 

しかし!

 

 

 

Jeff Beckはその真逆なのです。

 

模倣どころか、一度弾いたフレーズと全く関連性のないフレーズを

聞き手がついていけないくらい怒涛の展開で弾いていく。

「フレーズの模倣」は聴きやすい反面、ある程度次の展開が読めてしまうんだけど

Jeff Beckの場合、次から次へとつながりのないフレーズが押し寄せ・展開していくため

全く先が読めないのです。

それが故に非常にスリリング

 

「崖の先端に立っているの様な感覚」

「ナイフを突きつけられているような感覚」

彼のギターソロを聴いてるとそんなスリルを覚えます。

 

我々が練習して身につけるような「模倣のテクニック」が

彼には一切通用しません。

だから「お勉強感」を感じないんでしょうね。

 

 

 

そして前述の「少ない音・小さい音からストーリーを作っていく」

というのも彼には通用しません。

いきなりトップ・ギアからソロに突入したり平気でします。

 

そしてそこにオリジナリティ溢れる奏法と音色とが乗っかり

唯一無二のソロが生まれる。

 

今まで沢山の演奏を聴いてきたけど

Jeff Beckを聞いた時の様な感覚になる事は他に一度もありません。

 

 

 

このように常識が通用しない彼のソロは、「内」から湧いて出てくるため、

ボクは「彼のコピーをすることは意味がない」と感じてしまい

ほぼほぼJeff Beck弾いた事がありません。

一番好きなギタリストであるが故に、なのかな?

 

 

 

 

 

・・・と、長ったらしく書きましたが

そんなことはどーーーでも良いのです。

 

ぜひ聞いてみてください。

 

 

 

R.I.P.

 

 

 

 

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