日本人の美意識なんじゃろうね。
『大義』を掲げ『筋を通す』って感じ。
この『大義』を掲げ『筋を通す』という美意識は
却って選択肢を無くす事にも繋がる。
まぁ、統治し易い国民性と云うものを
生み出しもしてるが、
統治する側が何らかの大義を掲げた場合
国民による統治者への監視は非常に強くなる。
この『筋を通す』事への美意識、
『大義』を掲げてる以上、曲げられないモノでもある。
この概念に縛られつつ、美意識を持ってるから
『滅びの美学』に向かってしまう事もある。
敗れたとしても掲げた『大義』というものが
共通認識として普遍的な価値観に通じるものである場合に限り、
『戦略的な思考・志向』と捉える事も出来る。
否定的に捉えれば美辞麗句に踊らされやすい国民性。
概念に捉われ過ぎてしまう以上、
戦術的な思考とはいえない。
戦術的な思考となると
『臨機応変』さが必要になると思うんだけど、
この『臨機応変』ってのは
見方に拠れば
『目先の利』に敏いって事になるんじゃないかな。
こういった『目先の利』を重視するのは
どうも日本的な美意識に沿わないような気がする。
『目先の利』に食指を伸ばす際に
なんらかの理由・言い訳を求めてしまうんだわな。
そもそも『目先の利』という言葉ですら
余り良い印象が無い。
とはいえ
諸外国を眺めるに『目先の利』を確保しつつ
長期的な戦略を組み立ててるように思うのよ。
その戦略ってのは結局、
『自国の利益を最優先』にする事であり、
過去の経緯などは
『ある程度の配慮にとどめる』というモノでもある。
『国家の有り様としての整合性』ってのは二の次。
眼前の課題をどのように片付けるかって事が最優先。
これらの国々は
結構、歪な国家像を呈してる。
また国家と云うものは『筋を通せ』と他国に要求はしても
自国が率先して筋を通そうとは考えておらんのであろう。
そういう要求をされない為に、
国力や軍事力を増強するといった面もある。
筋を通す事が自国に不利益を生むのであれば
選択肢から除外される訳だーな。
そんな事を考えると
日本の価値観は
筋を通す事への美意識・強迫観念が強く、
諸外国からしてみれば
ある意味で『与しやすい国』とも思える。
『筋を通す』という美意識が強迫観念に通じている以上、
日本側が条約・協定の不履行をするなんてのは
余程の事が無い限り、まず無いし、
この『筋を通す美意識』がある限り、
『契約』の概念を更に強固にした代物にもなってる。
逆に日本に対して約束を違えた場合、
『筋を通さない輩』と云うことで
日本からは二度と相手にされなくなる可能性もあるのだけれど。
まぁ、
最近はこの美意識も希薄になりつつあるような気もするがね。
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