8月にフロントブレーキシューを交換したが、効きがイマイチでまだ当たりが出ていない様子。9月に信州徘徊~ず能登ツーを控えていたこともあり、状況を見てみることにした。
 
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 それぞれ新品であった前側のシューのライニングと後ろ側のシューのライニングを比べると、ドラムへの当たりが均一でなく違いがあった。

 

 つまり2つのライニングが同時に当たっていなく、ブレーキの効きが良くない状態。
また、後ろ側のライニングが当たっている部分➡当たっていない部分➡当たっている部分と均一でない。
 解決策として
 
 ライニングとドラム擦り合わせ部分を滑らかにして密着させる。
 前後のシューのライニングが同時にドラムに当たるよう調整する。
 
 
①の作業
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 まずは、黒板で使うチョークを用意。近所の100円ショップ(ダイソー)で購入しました。それをブレーキシューのライニングに均一に塗ります。それを、ドラム内側に当てて円周にまんべんなく回します。するとライニングがドラムに当たっている部分はチョークが取れて、当たっていない部分はチョークが白いままになります。
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 そしてチョークが消えている部分がライニングの高くなっている部分。そこをサンドペーパーで削っていきます。この時注意すべきは必ずサンドペーパーとライニングは面同士で当たることが絶対です。手で持ってペーパー掛けすると見えない形で弯曲します。サンドペーパーを手で持つ場合はペーパー内側に平たい木を当てるなどしてください。
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②の作業
 
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 ブレーキシューは、左右の内、片方がレバーの動力で動く仕組みなのですが、その接触部分はドラムのレバー側、シュー側それぞれ平らになっています。まずこれを前側のシュー後側のシューそれぞれ同時に動き出すように調整します。調整は写真で写っている面の後ろ側にあるブレーキコネクティングの長さをボルトを回して調整します。
 通常ならここで作業終了なのですがここからは、私のオリジナル。
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 平らな部分が接触している稼働部分に赤い印をつけます。はじめは閉じた状態で。ただリターンスプリングで余計に動いてしまっている分は平らな部分がピッタリ合わさるまで戻します。
 次にブレーキレバーにつながるレバーを最大限まで動かしその位置を先ほどの赤い印からどれだけの長さがあるかノギスで測ります。
 
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 前側のシュー、後側のシューそれぞれ開閉前から開閉後の長さを計ったら、前側シューの長さ、後側シューの長さ、その差が何ミリか書き留めます。はじめはどちらかが長く、どちらかが短くなっているかと思います。長さがほぼ同じにならないとライニングが同時にドラムに当たらないことになります。これを先ほどのようにブレーキコネクティングの長さをボルトを回して調整します。
 ほぼ同じになれば作業終了です。
 
 ついでにホーイルに組む時の注意ですが、ブレーキシュー側のパネルにあるこの部品は一部出っ張ていてホイール側と凸凹な形で合わさります。これを誤るとフロントホイールのシャフトを締めこんだ時にホイールが回らなくなってしまします。
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 無事完成、ついでに剥げていた黒い塗装も塗り直してぱっと見で綺麗になりました。走ってみるとブレーキの効きはかなり良くなり満足です。
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ここで行った作業は自分では満足な結果が得られたと思っていますが、馴染みのバイク屋の社長はライニングはある程度ブレーキ効いたなら削らなくてもこれからもっと良くなったはずだ。と言っておりました。ただこれは新品シューに変えた場合のお話だと思います。
 
 今回は新品のシューなので省きましたが、長く使っている車両ではライニングの厚みが若干違いがある場合もあるようです。その場合は一旦ホイールを組み付けて当たりを微調整するようですね。ただ、この場合でもライニングの厚みをノギスで測って前後のシューのライニングの厚みが極端な差がなければそれで良しかも。もしくはライニングの厚みの差を先ほど紹介の開閉時の動きの差で調整するやり方で行なうのもいいかもしれませんね。仮留めで組み付ける場合でも黒板チョークを塗ってどちらが先にドラムに接するのかの状況判断に使うのも一つの方法でしょう。
 
 ブレーキの効きが良くなく悩んでいる方はシューが同時にドラムに当たるようセッティングするだけでかなり違うと思います。
 
 ツーリーディングドラムブレーキ調整の記事は随分前にも書いたのですが今でもかなりのアクセス数があり今回は詳細に書いてみました。
 参考になれば幸いです。ただ、あくまでも自己責任でお願いします。
 
追記
 ドラム本体のダメージが大きくブレーキが利かない場合はドラムの研磨が良いでしょう。研磨してほしいドラムとブレーキシュー(新品が望ましい)を業者に依頼したら良いです。