この世の果てまで落ちて
谷底の深さを知った
ここは暗く
とても寒い
岩地には草一つなく
生きて動くものもいない
私は空高く
あの場所で飛んでいた
風が突然、ふき
私は翼を羽ばたくのをやめ
徐々に下へと降りていった
気づけば
この世の果てと呼ばれる谷底へ
この身を横たえている
空高く飛び続けることに疲れ
この地に行き着いた
ここは、思いのほか
暗く切ない場所
私は今つばさを休め
もうこの地を飛び立つことを
考え始めている
私は初めてこの暗き谷底から
飛び立とうと
翼を羽ばたかせはじめた
ここより高き美しい場所へと
行くために
今は必死に
この重き翼を羽ばたかせる
徐々にこの身が
地上へと浮かび上がる
この谷に強き風が吹き荒れ
今までの如く上手く飛べない
やもすると下へ落ち行く不安
翼は
自由に飛びし頃よりも
重く鈍い
私は必死に翼を広げ飛び行く
やがて長く永遠とも
思われる風が
ふと、やみ
私は谷の空高き場所へと
飛んでいた
あの暗き谷底を見下ろし
私はまた翼を大きく羽ばたかせた
遥かかなたに見える
みどり溢れる美しい島へと
風を切り裂き
翼を羽ばたかせる
あの島へと
陽を感じ
風を感じ
不安で胸を痛める時あれど
つばさを休めず飛び続けよう
美しい島に辿り着くまで…