空港に向かう車の中の出来事…


おちゃるが 音痴な歌を唄い出した。


これで 自分を奮い立たせているのだとか…


「本当は カナダへ帰りたく無い」とボソッと、おちゃる。


日本に滞在中、二回ほど カナダでの生活が大変だったと 涙ながらに話していた。


素敵な友達に恵まれ その友達と励まし合いながら カナダでの生活を 送ったとか…


日本は 食べ物も美味しいし 皆、親切だし  何事にも 丁寧だし 寝心地の良いベッドもあって 改めて 日本の良さを知り 本当に日本って 良い国だなと思ったと 語っていた おちゃる。


本当なら このまま 日本に居たいけれど カナダで頑張ると 決めたから 帰らないといけないけれど やっぱり 帰りたく無い気持ちになっちゃうから 歌を唄って 気を紛らすのだと。


「カナダへ帰る…なんて 行くじゃ無くて 帰るって言う所が、すっかり カナディアンじゃない?」と 笑って言ってみた。


だって 何か それ以上の事が 言えなかったから…


甘ったれで わがままな おちゃるが、とても親切なホストファミリーや 戦友と呼べる友達が 出来、皆より 英語が話せるからと言って 16歳で カナダに留学したのは やはり 大変だと わかっている。


それでも 親として 笑って送ってあげないといけないのは、少し悲しい気持ちもするけれど おちゃるの為。
そして 私の為…


最後に おちゃるに 手紙を渡した。
「また頑張って 冬には、日本に お休みしに 帰っておいで」と。


カナダ行きが 決まる頃、イライラして 「僕をカナダに追いやるくせに‼」と言った おちゃる。


私の事を 酷い母親だと思ったのかな?と悩んだりもした。


でも 結局、自分で学校も選び カナダに行ってから 何ヶ月も連絡すらして来なかった。


連絡しなかったのは、頑張ると決めたから…
そう 今回、話していた。


日本滞在の最後の2週間は、また 元のおちゃるに戻って来てしまったけれど 考え方も 行動も 前から比べたら 断然、大人になった。


だから これで良かったのだと思う。


まだまだ これから もっと 色々な事を 体験して もっと もっと、成長してくれたらなぁ~と。



もうすぐ カナダに着く頃かな?


キャンプに行って リフレッシュしたら また 学校生活を 楽しんで 頑張って欲しいな。