落下の解剖学 | 晴れ、ときどき観劇。

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真実とは。

 

 

 

 

見ました。

 

ドイツ人の妻と、フランス人の夫。妻は作家、夫は作家志望の教師。

事故で視覚障害になった息子がひとり、賢い犬が一匹。

フランス山岳地帯の山荘で暮らす家族に、ある日訪れた悲劇。落下して死亡した夫。父親の死体を発見した息子。唯一の被疑者である妻。

 

事件前の断片的な映像のほかは、おおむね法廷内で進行するストーリーです。面白いんだけど、むかっ腹が立つし、長い。ていうかそこの検事さんは鬼の首でも取ったように被告人を弾劾してますけどあなたご自身はそんなにご立派な方なんですかねえ?夫が妻に黙って録音した喧嘩の音声を二人の関係性が崩壊していた・妻が夫を殺害する理由となった証拠としておられますけれど、私はまずその証拠能力に疑義を提したい!

 

…けど、その録音さえも妻が夫に「創作の手助けになるから」と促して、むしろ妻の主導で意図的に残された二人の芝居だった可能性だってあるよな…とか、考え始めるとすんなり飲み込めない、なんともざらりとしたものが残るのです。きっと実際の法廷闘争もそうなのでしょう。

例え相手が死人でなかったとしても、同じ事象に対して複数の人間が同じ捉え方をしているとは必ずしも限らないものです。

うーん、面白い。面白いんだけどもやもやする。白黒つけたい。越前守~~!!!(頼る相手たぶん間違ってるね)

 

むかむかもやもやする作品のなかで、我々の心を救ってくれる存在。それは素敵な弁護士と可愛い犬です。素敵な弁護士まじで素敵だからそれだけでも見て欲しい。絶妙な、本分を越えた寄り添い方が、本当に絶妙で好きになっちゃうから、見て欲しい。でも、もやもやすると思います。笑

 

とりあえず私は絶対に外国語で裁判沙汰には巻き込まれないぞと決意も新たにいたしました。

 

ではでは、次は本かな。