HiGH&LOW THE 戦国 2/17マチネ(Theater MIRANO-Za) | 晴れ、ときどき観劇。

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下天の夢。

 

 

 

 

観ました!

しかも、特に考えもせずおけぴでチケットを手に入れ、3日前に席を教えていただいたら、4列目通路近くでした。THE戦国の世界を体験してしまった……。

 

 

あらすじと感想、大いにネタバレ。

 

 

パラレルワールドの戦国時代、信長と同じ魂を持った男・黄斬@片寄涼太が主人公。その信長の最期を夢に見ては魘される黄斬。仲間の颯斗@小野塚勇人曰く、同じ魂を持った人間の夢を見る=危険が迫っているという警告なのだと。彼らの国である須和国は元は豊かに栄えていたが、砂金が発見されたことにより内乱が勃発、今は砂漠に覆われ水と食料の枯渇する国となっていた。砂金を奪いに社を襲った盗賊・蛇之内糜爛@阿部亮平と争ううち、黄斬は社の封印を解いてしまう。呪いによって葛藤や後悔を呼び覚まされ、戦うことを躊躇うようになった黄斬を支えるのは、幼馴染の村上吏希丸@瀬央ゆりあ、神子の血筋の颯斗、盗賊から仲間に加わった戒@うえきやサトシ

 

・「全員主役」のようですが、便宜上黄斬を主人公といたします。キャスト欄を見ても黄斬さんは「劔黄伊右衛門」としか書いてなくて、あだ名なんでしょうけど、それへの解説…なかったよね…?それにしてもみんなほんと信長好きね~~!私も好き~!!

・そして小野塚勇人さんは劇団EXILEの方なんだ。明らかにセリフの通りが良くて聞きやすくて、安心して観ていられました。舞台上で声を通すのって、技術ですよね。

・スカステのメイキングを見て大泣きしたので、出てきただけで「なおちゃん…!」って泣いちゃうかと思ったんですけど、瀬央さんがあまりにナチュラルなリアル男子であり瀬央さんでもあったので唖然としました。かっこいい男の子じゃん…!!!かなり地の瀬央さんの声に聴こえた。そしてこれまた、張った声でも囁き声でも全部のセリフが通る通る。そしてあの華奢な身体が、何をどうすれば男性と張り合えるくらいの体格に見えるのか…靴のヒールもないのに。

 

一方そのころ尊武国では国主の番場影森@冨田昌則が逝去。状況証拠から須和国の犯行だと判断した上宮地玄武@RIKU白銀相生@浦川翔平を供に須和国への侵攻を開始する。

 

・「北」で「砂」の須和とは対照的に、「火」の尊武は、まあ薄着。薄着っていうか、肌色

・玄武には幼いころ酷く貧しく、父に虐げられ、死への恐怖から父を殺した過去があった。殺される前に殺し続けてきた少年に手を差し伸べたのが影森で、玄武は影森のためなら何でもする男だった…(個人的にはここに主従以上の関係があったとかなかったとかあったとか思っておりますよ)

・戦場で玄武を見て一目惚れしてついてきちゃった相生、かなりの舎弟感でとても可愛い。こいぬ。

・それにしても尊武の、パワー系&ガナリ&ラップ、めちゃくちゃかっこいいんですがちょっと距離が欲しい。4列目で見るには眩しすぎるしアツすぎる。

・あとごめんなさい変態みたいなんで読み飛ばしてもらいたいんですけど、RIKUさんのつるつるお肌なめらかおなかの、おへその横にほくろがあって、ガン見しちゃった。

 

一方そのころ、乃伎国。国主として冷徹な仮面を被り生きる神洲崎湧水@水美舞斗、その傍らに寄り添う姫川弦流@藤原樹のもとを糜爛が訪れる。曰く、尊武国が須和国を征服すべく戦争を仕掛けた、次に標的となるのは乃伎。尊武が須和との戦争に明け暮れるあいだに尊武の本拠地を叩き、食料庫を焼き払えばよい…と。悩みながらも糜爛の進言通り尊武に兵を差し向ける湧水。

 

・乃伎は「水」、そして和。羽織の下にひらひらした薄い布入れたの天才すぎるでしょ、有村先生。

・尊武出身で行くあてもなく彷徨っていたところを先代さまと湧水さまに救われ、一途に湧水さまを想い続ける弦流。弦流が湧水さまの決断を支持して尊武国の社に忍び込み封印を解いたことで、尊武国の呪いは玄武に降りかかる。(複雑構造)

・偉大な父のもとに生まれ、父と同じように冷徹な国主として生きることを自分に課し、ひとり苦しむ湧水さま。自分には国という重荷を分かち合うことはできないけから、せめてその重荷から解放して差し上げたい…と隣で苦しむ弦流。切なすぎる恋に手のなかで締め上げられて悲鳴をあげるハンカチ

 

絶対に裏切らない信頼に足る男が隣にいることに気付かない玄武。戦国の世を生きる将として致命的に欠けているものを身をもって贖おうとする隣の男の覚悟に気付かない黄斬。隣の男の想いに気付いてはいても本当の望みと謀には気付かない湧水。三つの国が、いま、激突する。

 

・男が男に向ける様々な種類のクソデカ感情博覧会。ありがとうございます寿命が延びます。

・弦流の特大矢印に気付かない湧水さまではないし、気付いていて傍に置くのは当然憎からず思っているからで、だけどそれは弦流が想いを口にした途端に破綻する関係だった。もう黙っていることに耐えきれなくなって、それならいっそ湧水さまに殺されたくて、「湧水を国という重荷から解放して自分のものにする」という企みのために殺されようとした。結局は裏切ったヴィランの一味に囲まれて湧水と背中合わせで戦い、湧水を逃がし、俺がとどめを刺すまで生きていろと命じられ、這うようにして辿り着いた湧水の腕のなかで息絶えるという、彼にとっては幸せかもしれないけど、ちょっと弦流、湧水くんの気持ちも考えなさいよー!

・表情はあんまり変えないのに目から沸騰しそうなお慕い光線を迸らせる藤原樹さんが素敵すぎたし、ずっと自分を押し殺していたのに最後に涙と共に感情を解放する水美舞斗さんが、もう、切なすぎて無理。泣きすぎてマスクのなかで溺れかけた。

・ラスト付近の玄武の歌が、いわゆるこう、EXILEバラード的な曲調で、それを歌われるRIKUさんがあまりにも良すぎて、良すぎるあまりにへらへらしてしまいました。こんなうまいことある?!お芝居での歌唱というよりはライブパフォーマンスという感じだったので、あの演出で良かったんだろうな。そして影森←玄武←相生の構図がとても好き。あれだけ切り刻まれて普通に生還する相生、その生命力で押して押して玄武をどうにかしてほしいし、呪いに操られて散々みんなに迷惑かけたのに不遜な態度を崩さない玄武、油断してた相生にどうにかされてほしい。同じことしか言っていない。

・そして、吏希丸ーっ!!!黄斬は呪いによって戦えなくなった、呪いを解く方法は「心の弱さに打ち勝つこと」。過去の内乱で対立した友を殺したことを今でも悔いる黄斬のやさしさこそ弱さであり、いちばん近くにいる自分をその手で殺すことで呪いから解放され、戦うことから逃げず、国の長として歩んでほしいと願う……理論が飛躍してるしなにも死ぬことないじゃないか、と思うんだけど、泣いちゃうんだなあこれが。この文脈だと、お稽古場映像で平沼さんに「泣かない!そこにあるのは怒り!」と指摘されていたけど、瀬央さんの解釈だって正しいようにも思う。でも吏希丸が怒りをぶつけるからこそ黄斬は刀を抜いて呪いを断ち切るわけで。そうね、泣くのはこっちの仕事かもしれませんね。ぐすぐす。

 

・シリアスな場面が多いけどちょっと笑わせてくださる場面もあり、それがどうやら日替わりのようで何度も観るお客様にも楽しく、瀬央さんに至っては「それって…花月雪星宙…ってこと?」「もしかして専科?(ウィンク付き)」と決めポーズするおいしい場面もいただき、手に汗を握りハンカチも握り特大涙をぼろぼろ零すだけじゃなくポジティブにも楽しませていただきました。

それにしたってRIKUさんの声が最高すぎたのでRANPAGEに俄然興味が湧いてしまった。どうしよう。あの声だったらラブソングはもちろん、祈りみたいなお歌を歌われてもいいと思うんだよな……あるの?そういう既存曲。有識者~!

・吏希丸が黄斬に向けていたのは献身的すぎる友情(と、主に取れるように描かれていたけれど、まあ専門家である私の目には愛情であることが丸分かりでしたがね)、一方の弦流と湧水の関係は完全にラブで、しかも「男が男を愛しても未来はない」「きっと先の世で、男同士が愛し合える時代が来る」とか言ってて、それを宝塚の男役(中身は女性)と宝塚の男役以上に宝塚感(?)を放つ男性が演じるというパラドックス。なにこれ………耽美!!!!!!!!

・なんか色々、言語化したい感情が去来していたはずなんですけど、致死量の耽美でぶん殴られてしまったので、今日はもうそろそろ閉店したいと思います。

 

 

いいことばっかり書いてきたんですけど、

・正直セリフは滑舌含めかなり甘めの人が多かった印象。技術なので、磨けば変わると思います。

・ありがちな「なんかいい感じのセリフの意味があんまり分からなくて右から左」は多発しました。あと、歌詞が…、けっこう聞き取れなくて……。でも、だからって後ろに歌詞を出すのはどうなんだい?見ちゃうじゃん。

・急に始まるライブ、そしてダンスバトル。それ自体は私はけっこう面白かったんですけど、眩しいの苦手族としてはライトの演出効果が地味にしんどかったです。客席は照らさなくて大丈夫です。

・龍。www キラピカなバルーンの龍、思ってる3分の1の短さで、思ってる100倍シャイニーで、もうちょっとなかったのかな…とは思いました。概念だからね、別にいいんだけどね。

 

 

 

配信も見たいんですけど私その日、歌舞伎おかわりだわ!!><

身体を二つに分割する技術の実用化が待たれます。