ヤマトタケル 2/11夜の部(新橋演舞場) | 晴れ、ときどき観劇。

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父と息子の

 

 

 

 

なんかこう、変な話(やめい)

 

 

観ました。
いえね、ヤマトタケル、猿翁さんを観てるはずなんです。高校生くらいの頃に。演舞場の三列目くらいで。でもその日いやにぼんやりするし話は頭に入ってこないし帰り道で関節痛いし、で帰ったら発熱して寝込んだので、まあ記憶にはないんですよ。

でさ。クリアな頭で観ての、感想。話が頭に入ってこない。笑笑笑


・スーパースター俳優・市川猿之助(当時)のための書き下ろしだから当時はそれで良かったかもしれないけど、早替わり、要る?普通に落ち着いて観たい
・お衣装めちゃくちゃ素敵なのに肝心の主役の髪型が変、どうにかよく見ようと努力したけど変
・ヤマトタケルに感情移入できなすぎる!!これがもう致命的。
①父殺しを提案してきた兄と揉み合ううちに殺してしまい、それを父に報告する際のセリフ「手足を捥いで、菰で巻いて川に捨てました!…残虐!!普通にあったことをそのまま言えばよかったくない?なんで嘘ついたの?しかも初めての嘘?嘘下手か!
②兄橘姫を娶って、弟橘姫も娶って、どちらにもいい顔をしているけど本当はどっちが好きなのか謎。…これはまあ、一夫多妻というか多夫多妻みたいな時代だからアレかもですが。でも弟橘姫はめちゃくちゃ嫌だったみたいだぞ。しかも彼女の死から間もなく別の女を娶って、その女への軽口で「お前が一番好きだ」とか臆面もなく言いやがって。(女も女だ、「兄橘姫より、弟橘姫より、お前が一番好きだと言ってください♡」じゃねーだろ死んだ女と張り合うな!)
③蝦夷平定のときのセリフ「獣を狩って暮らすそなたらのような野蛮人に生きる場所はない」…横暴!!その前に熊襲討伐でバッタバッタ斬り殺しまくっといて言うセリフじゃないし、むしろ蝦夷の人たちのほうがいいこと言ってる。それを問答無用で斬り捨てるヤマトタケル、どう見ても悪役。
自己肯定感乱高下。「大和に帰りたい…×100」「父上はわたしを嫌いなのだ…×100」と、「わたしは天翔る心で日本中を旅した」(え!?父親の命令で仕方なく出向いたんじゃなかったっけ!?)「わたしは新しいものを求めた。熊襲や蝦夷は古いものに固執した」(…!??初耳)との、落差。自己肯定感低すぎてない事実を捏造しちゃったのかな…朦朧として…。
 

全体的にセリフが繰り返しすぎて逆に重みが薄れていたし、断片的な見せ場をいい感じのセリフで繋ごうとしていたように見えたけど急すぎて付いていけなかった。物語の核となっているらしい父と息子の因縁も、登場人物たちにとっては重大なことかもしれないけれど、そして澤瀉屋においては業のような位置づけなのかもしれないけれど、正直知らんがな…と思ってしまった。ただし、これだけ冷めた見方をしていてさえカーテンコールでヤマトタケルが帝に駆け寄って頭を下げ、かたく手を取り合うところではぐっと来たので、物語に感じ入っていらした方々には堪らなかったのではないでしょうか。

立ち回りについては、3回あるうち熊襲戦と伊吹山はめちゃくちゃ見応えがありましたね。やっぱりこの演出はすごいわ。蝦夷の火の立ち回りは、ちょっと単調に感じてしまったというか……旗は確かにすごいんだけど、そして演者への負荷はすごそうなんだけど、、、なんというか、全体的に主演の見せ場の比重が大きすぎて、もっと見せ場を割ってもいいのになとは思いました。

 

 

という感じで、一言で言えば「合わなかった」なので、感想を終わります。

この作品をきっかけにいろいろと新しい挑戦が生まれ、その後の数々の作品たちに繋がったと思えば、原点を見られて良かったです。ハイ。

 

 

次はHiGH&LOWザ戦国!超楽しみ。