巨大で家計に身近な銀行が生保販売のウェイトを高める時代に入るだけに、親密な銀行を持っているかどうかで生保の販売戦略は大きく変わる。
「銀行窓販を考えると無関心でいられない。(UFJと三菱東京の統合で)非常に強力な銀行ができるわけで、親密な関係を築かなければならない」。
大同生命保険や太陽生命保険、T&Dブイナンシャル生命保険を傘下に持つ持ち株会社T&Dホールディングスの吉池正博会長は、UFJと提携している年金保険の銀行窓販の先行きに懸念を話す。
特にT&Dフィナンシャル生命は年金保険など資産形成ビジネスを主軸に据え、UFJ銀行による販売を主力チャネルと位置づけていた。
一方、東京三菱銀行は明治安田生命やミレアグループという親密保険グループを持つ上、カナダ系生保のマニュライフ生命保険に5%出資し、年金保険を共同開発するなど独自の年金窓販戦略を進めている。
UFJと三菱東京の統合後にT&Dフィナンシャル生命との関係が続く保証はない。
銀行窓販による生保販売が広がれば広がるほど、生保の銀行依存度も増す。
生保業界でも銀行という販路を確保するために再編を含む経営戦略の練り直しを迫られる可能性も否定できない。