的外れ。 | MCワカのしれっと徒然。

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2022年4月から1年間の海外移住なう

昨日の新幹線焼身自殺事件から一夜あけ。


日本の安全神話が崩れた、という声もある一方で


「運転席のすぐ後ろで油をまいて火をつけたのに


1両目の先頭だけで燃え広がらず、


鎮火後の車両が車庫まで自走可能」


ということがすでにスゴイことだという意見も出ていました。


確かに。


新幹線の車両自体が難燃性の素材で出来ており


元々燃えにくい構造で作られているので


延焼は免れたのです。



(NHKから民放からザッピングしていたので)どの番組か忘れてしまったのですが


鉄道ジャーナリストの方に


「スプリンクラーはないんですか?」と質問しているキャスターがいて


「軽量化・軽量化で開発されている車両に、大量の水を載せること自体

構造上ありえない。


もともと燃えない素材で作られている」


「(こういう事件を受けて)この先スプリンクラーを設置する方向に

なったりしないんですか?」


「それはないでしょう、燃えない素材を使っているんですから」


というようなやりとりがあったのですが。


そもそも1両目の前方から燃え広がっておらず


火はすぐに消し止められているのに


スプリンクラーの必要性を問うキャスターに違和感を感じたのです。


(火を消すことが出来ず、韓国の地下鉄事故のように

燃え広がった、というならその質問の意図もわかる・・・)


まだ乗客も停車車両に残っていて、詳細も入りにくい状況とはいえ


(情報も錯綜していた)


仮に、元々スプリンクラーが設置されていたとしても


油をまいて、火をつけた突発的な火災(一部分だけが火柱のように燃える)


に対して、スプリンクラーのような設備で消火出来るとは到底思えないんです。


なんか的外れな感じを受けました。


自分もインタビュアーの仕事をすることもあるので


自戒をこめて、ですが。


傍観者の立場での的外れな私見いらんっちゅーねん、と。


(分かってることだけ話す「アナウンサー」の方がまだマシ)




しかし。



今回初めて知ったのですが


NHKには 『SoLT』 なる部署があるのね!?



2013 年10 月,報道局にデスクと大学生だけの新たなプロジェクトが発足した。
名称は「Social Listening Team」,頭文字を取って「SoLT =ソルト」と称している。
仕事はツイッターのタイムラインなどを観察し,そこから事件事故の発生やネット独自のトレンドをつかんで放送につなげること。

機材は一般的なパソコンとネット回線で,ツイート検索などは主に無料サービスを使っている。

手法はシンプルだが,首都圏で起きた爆発事故や殺人事件などの一報を通行人などのツイートからいち早くつかみ,取材と放送につなげるなど,チームは早速多くの成果を挙げている。

事件事故や災害からネット独自のトレンド情報まで,硬軟とりまぜ,北海道から沖縄にかけての幅広い地域の情報をつかみ,「ネットからキャッチした一報情報を報道につなげる」取り組みが本格的に始まっている。



『震災ビッグデータからソーシャルリスニングへ』  より引用
足立義則(NHK 報道局ネット報道部記者) 


http://www.nhk.or.jp/bunken/book/regular/media/media11/2_06.pdf


SoLTによると11:30すぎから新幹線の緊急停止をツイートする内容を

キャッチし、取材を進めた、と。


要するにツイート、SNSウォッチャー部隊。


NHKをもってしても、現場の「素人」の発信力には勝てない。


現場車両に乗り合わせたたくさんの人のツイートから

事故を認識し、該当者へコンタクトを取り、ニュースとして発信するという・・・・


知らなかった。


今の世の中こんなシステムになっていたのね・・・


それにしても、今回も


自爆テロのような事件だというのに

乗客もドアをこじ開けて車外に出たりせず


後方車両に逃げたあとは乗務員の指示に従い


運転再開まで待ち、停車後の大きな混乱もなかった。


(停電したことで空調などが止まり、一時は騒然としたらしいが)



ニュースでも、駅でどういう状況か


駅員に確認する人たちはいたけれど


罵声を浴びせたり、怒号が飛び交うシーンは


一切なかった。




むしろ当たり前すぎて気が付きもしなかったけれど


JRの職員の懸命な対応

(※その後のニュースによると、消火作業もしたという運転士は

小田原まで乗客を運んだあと、体調不良を訴えて病院に搬送されたとのこと)



警察や消防の迅速な現場検証と対応・・・・

(※ニュースではJRの乗務員さんの首にトリアージの札がかけられていたので

怪我や煙を吸った人を中心に、初期対応でトリアージを受けたことが想像出来る)



そしてなにより、乗客の冷静な状況受入。



日本も捨てたもんじゃない。




昨日も書いたけれど

【新幹線の安全神話が崩れた】のではなく

【人】ですよ。

脅威なのは。

どんな準備をしても、充分すぎるほどの想定をしても

それを上回る狂気でもって向かってこられたら

どんなシステムも驚くほど脆い。



ただ。


それに対応し、打ち勝つのもまた


人、ですからね。