ロードレース世界選手権
Moto2クラスに参戦中の富沢祥也選手が、
日曜のサンマリノGP(ミサノ)で
レース中のアクシデントにより亡くなりました。
今年からGP250クラスにかわって新設された
『Moto2』に
エントリーをして、
なんと開幕戦で初優勝!
まだ19歳と若く、
まさに名実ともに
これからのモータースポーツシーズンを
引っ張っていってくれるだろうライダーの一人でした。
ここ数年は全日本ロードレースの現場を離れていたので、
富沢選手との接点はほとんどなく、
名前と顔は一致するけれど
実際にお話する機会もありませんでした・・・。
それでも全日本から世界へ戦いの場を移したことで、
少なからず注目もしていたし、
日本人として応援していました。
なかなか思うように結果は出なかった去年とは違い、
今年開幕戦でのいきなりの快挙に、
正直「こんなすごかったんだ…」と驚いたほどです。
そんな私ですが、
実は今年5月に富沢選手とお会いする機会があって、
その時初めて彼に挨拶させてもらいました。
一緒にいたのは、
世界グランプリに帯同して
日本のレースファンに数々の情報を送り続けてくださっている
ジャーナリストの遠藤智氏。
モータースポーツ業界では
知らない方はいないであろう
ジャーナリストの第一人者で、
私の憧れの方でもあります。
その遠藤さんが
めちゃめちゃかわいがっている富沢選手と
二人して目の前に現れたあげく、
他のジャーナリストの方々も含めて
7~8人の大所帯でスタバでお茶しましたなぁ~。
ドキドキの時間を過ごしたことを、
今でもはっきりと思い出せます。
遠藤さんの富沢選手を語る姿は「親心」というか、
かわいくて仕方ない、というのがにじみ出ていて、
彼らのやり取りは見ているだけで
本当に微笑ましかったのです。
でも何よりびっくりしたのは、
私が帰りがけに改めて挨拶をした時
「今日ボク名刺もってないんですけど、
今度会ったら絶対声かけて下さい。
ちゃんと覚えてますから。その時にまた♪」
って言われたんですよ。
もう・・・・
おばちゃんすっかりメロメロです。
遠藤さんがかわいがる気持ちが一瞬で理解できましたもん。
仕事柄たくさんの人と会う機会があるトップライダーから
(もしかしたらリップサービスだったのかもしれないけれど)
そんなこと言われて嫌いになる人いないでしょう?
訃報のニュースが入ってきて、
もちろんショックで喪失感も大きいのですが
富沢選手の人柄を偲ぶコメントが多く出されて、
本当にみんなに愛されていたのを知るにつれ、
たった一回でしたが、
私も彼の人柄に触れた一人として、
こんな素敵なライダーを失ってしまったのが心底残念です。
モータースポーツ~特に2輪レースの世界は、
日本では理解も人気も低いのが、現状・・・
世界選手権で活躍したり、
実際に世界チャンピオンを獲得している日本人も多いカテゴリーなのに、
訃報のニュースは大々的に地上波でもヤフトピでも取り上げられるけれど、
開幕戦の優勝をスポーツニュースで
取り上げてくれた番組はいくつあったのか???
でもこれが現実。
サッカーでも世界に飛び出して活躍する日本人選手がいるように、
欧州で活躍する『プロライダー』がいることをもうちょっと知ってほしい。
私もモータースポーツの魅力をもっと伝えていかなきゃいけないし、
そのために自分がいる、仕事しなきゃ、という思いが強くなりました。
「ショーヤ(SHOYA)」と海外でも愛され、
これから日本人として世界に通用し、
モータースポーツの魅力を伝えていってくれるハズの
有望なライダーをまた一人失った無念は尽きないけれど・・・。
ご冥福をお祈りします。