10.1続 ソウル

 

冷麺

翌朝8時に起きて、ホテルのレストランで朝食後、9時には関係会社に行き、全員揃ってお客様のセミナ会場に向かった。午前中は、お客様や他のメンバの講演だったが、私の出番は午後なので、頭の中で何度も言い回しを復習して、他人の講演を聴いている余裕などなかった。

お昼は、近くの店に大勢連れ立っていって、みな冷麺を食べた。ハルサメのような感じの細い麺だったと思うが、夏専用の料理とか、ずいぶん長い鉄の箸で食べた。冷麺と言えば、日本では盛岡のが有名だけど、あんなゴム紐のような食感ではなく、とても食べやすかった。ただ、午後のプレゼンが気になって、落ち着かなくて、なんか急かされているような気分で食べた記憶がある。

 

プレゼン新境地

午後は、私が2つのセションの担当で、少し休憩を挟んで2時間半、喋りっ放しだった。一つ目は、自分の担当する製品の紹介だが、昨日急遽変更になって、喋り方が収束しないまま、ぶっつけ本番。結局、フィルム毎に言うべきキーワードだけを頭に入れておいて、後はアドリブで喋った。これがかえってよかったか、英語自体はさほど流暢ではなかったでしょうが、硬い印象にならず、聴衆がちゃんとこっちを向いて聴いてくれてる、という実感を持てた。そうなると元気が出て、自分の声も大きくなる。聴衆からの質問もタイミングよく出て、まずまずいい感じだったと思う。

2つめは、自分の担当ではない部分の話だったので、一字一句、喋り方を憶えておいたのだが、途中から聴衆がいかにも退屈そうな様子になってきて、かといって憶えた通りに喋り続けるしかなく、自分の声もだんだんボソボソと小さくなっていった。聴衆からの質問もなく、良くなかった。

2つのプレゼンの違いは、話の内容に対する自信の表れでしょうが、喋り方の問題もあるかも、と反省した。プレゼンで喋る文言を一字一句憶えるのはやめて、重要なキーワードだけ憶えておいて、はっきり言う方がよい、ということだ。つなぎのことばは、日本語なら自然に出るだろうけど、英語ではそうはいかず、流暢さがなくなるだろうけど、言いたいことが伝われば、ボツボツの英語でもいい。どうせ流暢なつなぎの台詞なんか期待されていないんだから、むしろ無駄なことばのない真摯なプレゼンになる、と思った。

今回は、昨年の独のセミナでの初めてのプレゼンに比べれば、緊張感はあったものの、割と堂々とできたと思うが、2つのまったく違った雰囲気を経験して、前回ハワイで感じたIdentityに相応しい喋り方のヒントを得たような気がする。

 

コリアハウス

17時にセミナ1日目が終わり、17時半に関係会社に戻って、翌日のデモ準備をした。回線の遅さをカバーするデモ手順を考え直すのに、現地スタッフも一緒に作業してくれているが、あまり助けにはならない。日本から一緒に来ている仲間は、「先に行ってるよ、がんばってね」とか言い残して食事に行ってしまった。お仲間連中は、コリアハウス(Korea House)に、韓定食を食べに行く相談をしてたんだ。私も行きたかったが、しかたがない。もう少し、、、突然、韓定食に行った仲間から電話がかかってきた。「20時半までに来れば、もう料理はないけど、舞踊だけは観られるよ。」おっ、今19時半、ひょっとすると行けるかも、、、20時にやっとデモに必要な段取りは確認できた。本来なら、現地スタッフとご苦労さんの食事ってとこだが、現地スタッフが「いいよ、後はやっとくから」と言ってくれるのに甘えて、タクシーでコリアハウスに向かった。ちょっと気が退けたけど、、、

コリアハウスの入口で、食事終わった仲間の一人が待っててくれた。やっぱり日本人は気配りあるなあ、、、暗かったが格式高そうな重々しい入口で、中に入ると民族劇場という看板があり、伝統の趣が漂う。チケットは ₩21,200、公演は1時間で、いくつかの演目があったが、動きも衣装も、美しい、面白い、とにかく飽きない。北京で京劇観た時は桃源郷の心地だったが、この韓国舞踊も、伝統舞踊に近代的な創作が加味された、楽しいものだった。日本舞踊や能の奥深さはハードルが高いが、韓国舞踊はややこしいこと抜きで文句なく楽しい。パンフレットに載ってる韓定食の写真を見て、これは食べたかったなあ、でも、この舞踊を観られただけでもよかった。

 

 コリアハウス民族劇場

 

 民俗劇場チケット

 

 ソウル市街地図