9.2 2度目のミュンヘン

 

最強の珍味アイスバイン

10:40 ミュンヘン空港着、時差が1時間なので、2時間かかった。入国手続きして、タクシーでホテルへ。半年前に来た時は十月祭の期間で市街にとれなくて、10kmほども離れた郊外の草地の前のホテルだったが、今回もその近くにあるホテル(Mercure Orbis)、12時に着いたが、まだ雪が残ってる。以前、独は寒いと言われてヒースロー空港で買ったヤッケみたいなコートが役に立った。

午後一杯、仕事先で技術的な打ち合せがあり、夕方には終わって、みなバイエルン料理のレストランに行ってしまった。私だけ、数人のドイツ人と別の打ち合せがあって22時までかかり、ドイツ人たちと近くのレストランで食事したのだが、ここでハーバードの草鞋ステーキと北京の巨大魚に並ぶ3大珍味、その中でも最強のアイスバイン(Eisbein)に出くわした。

ドイツ人がお薦めで注文してくれたのが、独の家庭料理ということで名前だけは聞いていたが、出てきたものは、赤ん坊の頭ほどもある白い肉の塊。焦げ目もなく、つるりとして不気味、見ただけで食欲を無くしてしまった。芥川龍之介の芋粥の心境だ。ナイフで少し削って食べてみたが、硬くて淡泊で旨くもなんともない。塩味だったのかも知れないが、私は濃い味より素材の甘みを味わう方が好きなのに、この淡泊さはちっとも素材の味という感じがしない。

付け合わせにザワークラウト(Sauerkraut)がどさっとついていたので、こちらも一口つまんでみたが、強烈に酸っぱい。隣のドイツ人は肉もザワークラウトも平気で食べているけど、私には無理だ、白菜の塩漬けの方が遥かに旨いや。大きな皿の上には、大きな肉の塊とはみ出さんばかりのザワークラウトだけしかない、遂に食べられなかった。(注:私の個人的な感想で、料理自体を悪く言うつもりはまったくありません。)

 

 ホテルの玄関で

 

 ホテルの部屋

 

 ミュンヘン近郊地図

 

ノイエ・ピナコテーク

翌朝7時に目が覚めた。夜中にも目が覚めたが、頭は割とすっきりしている。この日もセミナの事前打ち合せだが、私の関係部分は15時に終わったので、一人で市街に出かけた。前回来たときは、オデオン広場からゼントリンガー門まで歩いたが、今回はタクシーの運ちゃんに、美術館まで連れてってもらった。

ミュンヘンの美術館は古代美術館(Alte Pinakothek)と近代美術館(Neue Pinakothek)が、通り(Theresienstraße)を挟んで向かい合っているが、新しい方に入った。入館料はDM7.00、独も安い。例によって行き当たりばったり見たけど、ゴッホ(Vincent van Gogh)の「ひまわり」があった。学校の教科書で見た感覚と違って、意外と大きな絵で迫力満点。そしてベックリン(Arnold Bocklin)の2つの絵、教科書には出てこないが、一つは「葦の中の牧神パン」、これはアンセルメ(Ernest Ansermet)指揮のドビュッシー(Claude Debussy)の「牧神の午後への前奏曲」というレコードのジャケットの絵で、好きな曲なのでジャケットの印象が頭にあり、原画に遭遇してびっくり。2m近くある大きな絵に感激した。もう一つは「波間のたわむれ」という、女性の真っ白な大きなお尻にびっくりする大きな絵で、日本での女性美をテーマにした美術展でも見た。ここから貸し出されてたんですね。

 

軍楽隊の行進

美術館に閉館時間までいて、19時に仲間とマリエン広場(Marienplatz)で待ち合わせていたので、街並み眺めながら歩いて行った。バラー通り(Barer Str.)からルートヴィッヒ通り(Ludwigstraße)に出て、オデオン広場(Odeonsplatz)まで来ると、吹奏楽が聞こえてきた。軍楽隊の行進だ。私は小学校6年のときに鼓笛隊に参加した経験があり、音楽隊の行進に出くわすと胸が熱くなる。エジンバラの鼓笛隊でもそうだったくらいだから、こんな本格的な行進に出くわして感無量。

夕食は仲間の一人の薦めでMandarinという中華料理店に入った。大勢だったので、中華の丸テーブルが一番、中華料理なら外れることがない。その後はオデオン広場のワインバーで二次会。白ワインがすばらしく美味しかった記憶がある。ホテルに戻ったのは23時半、24時には寝た。まだ時差ボケがあるのか、相変わらず夜中に目が覚めたが、寝不足感がないのはありがたい。 

 

 バラー通りの路面電車

 

 ルートヴィッヒ通り

 

 オデオン広場の軍楽隊

 

 ミュンヘン旧市街地図

 

歴史あるビアレストラン

翌朝7時に起きて、9時に仕事先に行き、セミナの準備。午後からセミナで、1日目のスケジュールが時間通り進み、18時には終わった。この後、マリエン広場とオデオン広場の中程、レジデンツ通りのツム・フランチスカーナ(Zum Franziskaner)というレストランでレセプションパーティ。このレストランは有名らしいけど、ビアレストランらしく、料理は大雑把だったような、、、でも、建物の外観も店内の雰囲気も、天井からぶら下がったシャンデリアも、現在も変わらずそのままのようで、歴史を積み重ねている。気さくに入れるのもいい。

この日は、23時半にホテル帰着、0時半には寝た。

 

 ツム・フランチスカーナ

 

平穏セミナ

翌朝は6時半に起きて、ホテルで朝食済ませ、8時にチェックアウト、荷物を持ってみなタクシーでセミナ会場へ。9時から15時まで、セミナの2日目、質疑が紛糾するようなこともなく、順調に時間どおりに進んだ。今回は自分のプレゼンもなかったし、平穏に終わった。平穏過ぎて、昨年のカールスルーエやハワイでの緊迫場面が恋しくなってしまった。

この後は私だけ、委託先との打ち合せのためにボンに行くので、15時半にタクシーでミュンヘン空港へ。17時にはDBA(Deutsche BA)という国内線に搭乗手続きを済ませ、すぐ搭乗して、17時半には離陸した。