7.4 ライン川と2度目のボン

 

ライン川沿いの絶景                       

16時、カールスルーエ発。ライン川沿いにいくつかの都市を通って、2時間半の鉄道旅。ECの2等席は居心地がいい。しばらく座って車窓の景色を眺めていたが、30分くらいしてマンハイム(Mannheim)辺りから、ライン川が見え出すと、これは絶景。座って車窓から眺めるだけでは座っている方向しか見えないし、あまりキョロキョロすると前の人に笑われそうで、トイレに立つ振りして車両の後ろの乗降口に行き、かなりの時間、そこに立ってガラスに顔くっつけて前見たり後ろ見たり。対岸の街並みが美しい。山の中腹や頂上にお城が点在する。日本の川と違って結構深いらしく、大きな観光船や貨物船が行き来している。マインツ(Mainz)とコブレンツ(Koblenz)の間にはローレライ(Loreley)がある。とはいっても、巨大な岩山のてっぺんに棒が2本立っているだけで、妖精が見えるわけでもないので、拍子抜けだったけど。船には難所ということだが、列車からではただの岩山だったね。ローレライはともかく、対岸の街並みと点在するお城は、どこを切り取っても絵になる、見飽きない絶景が続き、結局ボンに着く直前まで、乗降口に立って外を眺めていた。もう山の緑は黄昏時期だけど、これが新緑の時期だったら更に美しいだろうなあ、、、実はこの後の出張でも、また違う時期にもう2回乗ったのですが、何回乗ってもこの路線は見飽きることがない。でもやはりこの最初の感動が一番でしたね。前の席の人は、キョロキョロどころか、トイレに立ったまま戻ってこない私に、呆れたかもね。

 

 ライン川

 

 観光船

 

 ローレライ

 

 ライン川沿いの鉄道路線

 

古えのボン

18時40分、ボンに到着、委託先の会社の人が娘さん同伴で駅に迎えに来てくれて、ホテルまで送ってくれた。この人も、以前日本に来て1ヶ月ほど長期滞在して、私が面倒見たから、気心が知れている。とはいっても、ドイツ人はフランス人のDr.Pやイギリス人のDr.Mとは、個性とは別の国民性の違いを感じる。いくら親しくても距離を置く、という感じかな。この辺りの話は、更に強烈に感じたことがあるので、また別の機会に話します。

ホテルは、ボン中央駅(Bonn Hauptbahnhof)の南側、すぐ近くにあるBristolホテル、19時にチェックイン。部屋から眺めると、線路を挟んで北側には高い建物は教会の尖塔だけ、駅のすぐ傍だというのに、歴史が止まってるような感じだ。2年前に泊ったResidenceホテルは線路の北側だったが、正面の教会の手前辺りだろう。ビル街は別の所だろうけど、この辺は駅前なのに、古えのボンを感じる。

 

 ホテルの部屋

 

 部屋からの眺め(左の高い塔はミュンスター教会)

 

ボンオペラ

ホテルの部屋に荷物を置いて、すぐその足で迎えの人と一緒にボンオペラへ。私が音楽好きと知って、委託先の社長さんが招待してくれた。演目はモーツァルト(Mozart)の「フィガロの結婚」、ピッツバーグで観た(とは言えないが)「セビリアの理髪師」の続編のようなものらしい。座席は舞台正面真下、前から3列目くらいで、見上げるような角度で、ちょっと首が疲れる。現代風にアレンジされてて、テニスコートでの密会、という設定で、歌手はテニスウェアでラケットを振り回しながら歌う。男性は短パン、女性は太もも丸出しのスカート、だいたいオペラ歌手というのは太っているので、頭上でそういうのがどやどやと動き回るもんだから、ロマンも何もあったもんじゃない。まあこのオペラは悲壮感とは無縁だから、これもありか、と思いながら観ていたが、終わってから隣で観ていた社長さん曰く、「やっぱりオーソドックスな場面設定と衣装の方がいいよ」。そうだよね、同じスタイルで飽きちゃう、ってこともあるかもしれないけど、ロンドンでは超ロングランで同じミュージカルやってんだから、オペラも無理に新機軸でひねくり回さなくてもいいよね。

 

歴史が止まってる

翌朝8時に起きて、朝食がてら散歩、ボン中央駅の北側に出ると、歴史が止まっているようなしんみりした街並み、歴史地区として景観が保存されているんでしょう。ミュンスター広場に行くポスト通り(Poststraße)の入口にマクドナルドの看板があって、せっかくの郷愁を壊されるような複雑な気分、でも世界中どこにでもこの看板があると思うとほっとしますね。朝早くからやっていて、早朝散歩での朝食にはありがたい。現在もマクドナルドは同じ所にあるようですね。

1時間ほど数kmの散歩、駅の北側を歩くのは2度目だが、同じ場所も通って変わらない景観に、あ~また来たな、とすごく身近に感じた。現在も同じような景観が保たれていると思うけど、さすが歴史地区、歴史が止まってる。

9時半にお迎えが来て、ブリュール(Brühl)の委託先で丸一日、打ち合せを行い、ボンのホテルに戻ったのは23時半、0時半には寝た。翌日はパリに行く。

 

 ボン中央駅北側

 

 ポスト通りのマクドナルド

 

 ミュンスター教会

 

 ボン市街地図