1.3 ロンドン

 

お土産

ホテルで簡単にお昼食べた後、威厳のロンドン街歩き。同行者が、ハロッズ(Harrods)に行こうと言うので、連れ立って行くことにした。実はお土産は大変なのだ。気が引ける実作業者だけでなく、対象者はたくさんいて、もれのないように気を遣う。帰国後、何のかんのと配っているうちに、大抵自分用のものは残らない。普通は、海外のお土産なんて免税店でチョコレート買って済ませるのが常識で、もらう方もそれで十分なんだろうけど、私はそれでは申し訳ない、それも空港の免税店ではなく、街中のお店で買わないと気が済まない。スーツケースは、衣類なんかほとんど不要だけど、帰りにはお土産で一杯になる、そのために持っていくようなものだ。

グロスターロード駅から地下鉄でナイツブリッジ (Knightsbridge)駅まで5分ほど、駅から歩いてまた5分、ハロッズはエジンバラのデパートとは格が違う。でも、売り場の感じは日本のデパートに近かったと思う。ハロッズに出店している日本のデパートの売り場だったのかも知れない。ここもエジンバラ同様、店員がまとわりつくこともなく、さばさばしているので、じっくりマイペースで買い物できた。両親とか、世話になった方々にマフラーとか何やかんや、ついでに自分用にと思って、日本では見掛けないおもしろい形をした、ずいぶん凝ったたたみ方をする折りたたみ傘を買ったけど、結局この傘も自分用には残らなかった。

 

 ハロッズ

 

大英博物館

買い物の後、大英博物館(The British Museum)に行こう、ということで、地下鉄でもよかったが、ダブルデッカーに乗ってみよう、ということに意見一致して、訳わからず近くのバス停から乗った。2階席の一番前は最高、乗る時に、運転手にどこで降りるのか聞いたけど、結構長いこと乗って、行き過ぎちゃったのか心配だったが、何とか近くのバス停で降りることができた。2人だったからよかったが、一人だったらちょっと難しかったかな。

大英博物館の入口は、教科書で見覚えのある三角屋根で、ここも入館料はタダ。有名なロゼッタストーンを見なくちゃ。館内に入るとすぐにあった。ほう~、、、人間の身長ほどの平らな石版が、床から少し高い台座に置かれていた。囲いも何もなく、ポンと置いてあった。細かい文字が彫ってある。台座の回りを一周して彫ってある文字を見た、まるで機械で彫ったような規則正しい文字、凄い。

さて、お目当てのロゼッタストーンは見たが、せっかく来たんだから、とにかく全部見て回ろう。大きな石像とか凄い展示物がたくさんあったが、記憶に残っているのは、ミイラがずらりと並んでいたこと。ここは墓場かと思うくらい、ミイラが世の中にこんなに残っているのか、とあきれてしまった。一つひとつ個性があるわけでもなく、黄金のマスクみたいな派手さもなく、ただずらっと並んでいた。

同行者は、途中でうんざりしたのか、別行動でロンドン塔見物に行ってしまったので、一人で見て回った。確かに私もうんざりしながら、研究者でない一般庶民には、なかなかこれらの展示物を畏敬の目で鑑賞するのは難しい、絵画を見るのとは大違い、などと心の片隅で思いながら、しかし、全部見て回った。見ても何があったか、ましてその価値もよくわからないが、とにかく全部見た、という達成感だけは残っている。それでは観たことにはならないですけどね、ロゼッタストーンとミイラしか思い出せないなんて、、、

美術館と違って、博物館はちゃんと目的意識がないとだめだ。また、いくつも短時間で見るようなものでもない。一つのものをあれこれ想像を膨らませながら自分の頭の中で再構成するのでなくては。そうすれば、石のかけらだってすばらしい置物になるし、同じようなミイラが並んでいても、それらのちょっとした変化などから、昔の風習を思い巡らすことができる、かも、、、でも一回見ればいいかな。これが美術館だとまったく感じが違う。時間があれば何度でも入りたい。博物館と美術館は違うのだ。英語のmuseumをつい美術館と混同してしまうが、これは誤り、美術館はgalleryなのだ。

ところで、博物館というのは微妙な存在ですね、歴史的に重要な文化遺産の保管庫とも言えるが、大英博物館は自国の文化遺産というより、世界中からかき集めてきたものを展示しているわけで、現在では元々あった国から返還要求があるという。ロゼッタストーンもミイラも本来はエジプトのものなんですね。ただ一方で、ここにあるおかげで、文化遺産がきれいに保管されているという見方もできる。国というより人類の遺産としてそのまま保管してもらう方がよいのかもしれない。

 

 ダブルデッカー(グリーンパーク辺り)

 

 大英博物館

 

一人でロンドン街歩き

16時過ぎ、大英博物館をとりあえず全部見た、という充実感で出た後、一人で街歩きをした。適当に歩き出し、ソーホー地区に入って、ソーホー広場(Soho Square)通って、シャフツベリー通り(Shaftesbury Avenue)とチャリングクロス通り(Charing Cross Road)との交差点にパレス劇場(Palace Theatre)があって、レ・ミゼラブルの大きな看板がかかっていた。ほ~、この有名なミュージカルはここでやってるんだ、とこのときは特に観たいとも思わず、立ち止まって見上げていたら、横合いからふいに「きょうのチケットいかが?」とお兄さんが声かけてきた。£10くらいだったと思うが、今思えば惜しいことをした、台詞も歌も意味わからないとしても、本場のミュージカルを観とけばよかった。

シャフツベリー通りからルパート通り(Rupert St)に折れて、ルパート通りで夕飯食べて、ピカデリー広場(Piccadilly Circus)まで歩くと、右手方向に湾曲した通り(Regent St)があった。高さの揃ったまるで壁のような建物が通りに沿って湾曲していて、これぞ威厳のロンドンという街並みだ。しばらく通りを歩くと、有名なバーバリー(Burberry)があった。あまりブランドに興味は無いが、当時コートといえばバーバリーというくらい有名だったから、実際の建物を見て、すごく身近に感じた。その後の出張でも有名ブランドの建物に遭遇したが、この最初のバーバリーが一番の感激だった。

ピカデリー広場からは地下鉄でもよかったが、ブラックキャブに乗ってみた。後部座席が随分広かった記憶がある。ライセンス証明のカードをくれた。ロイヤルアルバートホール(Royal Albert Hall)の前で降りて、もう随分遅い時間だったと思うが、入口の扉が開いてて、だれかいたので、何かやってる?と聞くと、「きょうは公演がないよ、でも中を見ていい」と言うので、ホールに入って見上げた、でかかった。

 

 ピカデリー広場

   

 ブラックキャブのカード

 

 ロイヤルアルバートホール

 

 ロンドン市街地図