梅に烏二羽 | 一合野郎の覚書

一合野郎の覚書

   ー うめすけ ブログ ー

        

 妻の機嫌を伺っている夫、という第一印象を妹と兄に置き換えて、拙著の表紙に使わせて頂いた河鍋暁斎の絵である。

 先日本の話になった時、「表紙は硬いけど内容は軟らかいですよね」と言われて驚く。えっ!この絵が硬いなんて一瞬たりとも思ったことなかった……人の感覚はそれぞれなんだなぁ、と。

 当初タイトルは、『七つの子』の予定だった。四編ある「犬の居ぬ間」「七つの子」「デイジーの恋」「11番からの依頼」のうち一番評判がよかったのと、烏の絵を使った理由が載ってるからだ。しかし、そうすると表紙を親子だと勘違いする人がいそうでベタベタなパロディ『吾妹は姉である』にした。

 ちなみに「何と読むんですか?」と訊かれたら「お好きなように」と答えている。かの有名な「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」にも同じ質問があったそうだ。

 最初は「日本にこっきょうはありません」と言っていたのに、皆が「こっきょう」と読んで名文だと褒めるようになった数年後には「どちらでも」に変わったという。真偽のほどは定かでないが、ノーベル賞でそうなら私ごときが指定できないでしょ?

 昨日から愛鳥週間で明日は母の日、皆さん古巣を訪ねてね。