先輩、イイ役ですね | 一合野郎の覚書

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   ー うめすけ ブログ ー

  図書館のDVD棚「男はつらいよ」の並びに「あゝ野麦峠」があった。手に取ってビックリ、地井先輩ではないですか。

 確認のため裏を見る。間違いない。公開が1979年、私は17歳、ちょうど先輩の実家近辺をフラフラしていた時代だ。当時は誰もそんな噂してなかったなぁ。先輩は37歳である。

 病気の妹を背負って幾つも峠を越える。似合う。泣ける。観るのが辛い。大竹しのぶさんが可愛い。日本中の涙を搾ったと伝わるが、まんざら大げさでもあるまい。

 孫娘が稼いだ金を飲んでしまうのが西村晃さん、二代目水戸黄門だ。製糸工場の社長が三國連太郎さん、赤いシリーズのヒールで有名。そのドラ息子で一番ひどい奴がウルトラセブン(森次晃嗣さん)。我々には馴染み深いオールスターズと言える。

 皆さんが必要な「悪役」として演じたように、土地「岡谷」、職場「製糸工場」が、描かれた。もちろん違う側面もあり、労働は過酷でも待遇はよかったと証言が残っているし、工女に憧れた少女もいらしたと聞く。

 それにしても、地井さんは、「北の国から」といい、この映画といい、俳優としては恵まれた方だったかも知れないな。

 不粋ながら、先輩が育った土地に峠はない。なんたって、教室の窓から8キロ先の海と、そこに浮かぶ船が見えたんだもの。