また今年も渋柿が不作です(涙)
昨年に引き続き、今年も干し柿が作れません。
地方ニュースによると、収穫量が例年の5割ほど。
農家によっては3割ほどなのだそうです。
なんとか収穫できた柿は、
贈答用の高級干し柿になった模様。

11月に入れば、直売所や近所の八百屋さんなどで、
渋柿の価格をこまめにチェックしたり、
近所の軒先で干し柿がつるしてあるかどうかなど
確かめながら、その年の柿の出来具合を
自分なりに判断して柿を購入するタイミングを決めるのですが…
柿は11月初旬に高い価格のものが少量出ただけ。
20個入り大箱が3500円なんてありえないです。
近所の軒先には干し柿がほとんど見られません。
…一体どういうこと?と思っていたら、
直売所のベテラン店員さん曰く、
「今年は長雨だったからねー、
熟れる前にどんどん落ちちゃったんだよ。」
「今年はもうないよ、少しくらいは出てたけどね。
夏の果物もほとんどだめだったし、
(農家は)みんな大丈夫かなって心配になるよ。」
ほんとに…。
ここ数年、果樹が豊作だったというニュースは
聞いたことがありません。
農家の皆さんのことも気になりますし、
私たちの将来の食や暮らしはどうなっていくのか
本当に不安になります。
今年は特に、
梅は不作、夏の果物も不作、柿まで不作…
どう考えてもおかしい。
でも、確実に「異常」が「常態化」しつつあります。
ほんとは輸入品であるデーツやレーズンが
シュガーフリー生活で大きなウェイトを占められると
非常に困るんです。
世界がどんなにグローバル化しようとも、
足下は本当に脆いものです。
できれば甘酒や干し柿など、日本のものを大切にしたい。
日本だけが異常気象なわけではありません。
当然世界中がおかしいのは疑いがない。
これまでのように柿もデーツもレーズンも
収穫できなくなれば、どうなるんだろう。
…甘いものが食べたければ、
遺伝子組み換えのトウモロコシから作った
異性化糖(果糖ブドウ糖液糖)や、
砂糖の何百倍、何千倍、何万倍の甘さの
人工甘味料があるから大丈夫?
いや、大丈夫なわけありません。。。
それにしては、まだまだこのような問題が
他人事であるかのように感じている人も多く、
まずはすべての人が「自分事」として
捉えられるようになる必要性を感じています。
「スーパーに行けばいつでも何でも揃ってる」
そう考えるのはあまりにも危険すぎます。
スーパーだって、何か起こればすぐに欠品することは
もう日本中の人が経験しています。
それでも、玉ねぎ・にんじん・じゃがいもが
だいたい一年中置いてあるスーパーは、
どこかこれからも安泰なんじゃないかと
呑気にかまえていないでしょうか。
どうして異常気象が他人事になるかというと、
「自然から離れた生活をしている」
これに尽きると思います。
これは農家をやろうと言っているのではありません。
何か1つでも「自然と向きあうこと」を
してみるだけでいいんです。
食に関することであれば、
梅干し作り、漬け物作り、干し柿作り…
天候や気温がものすごく気になります。
人間の力ではどうにもならないこと、
結局人間も自然のサイクルの中にいる、
さらに言えば、
自然の恩恵を受けて生かされていることを、
否が応でも思い知ることになります。
でも、手間のかかることをせずとも、
もっと身近な方法があります。
旬のものを料理して食べる喜びを知る事。
これならもっと気楽に、楽しんで取り組めます。
例えば、今であれば「ゆず」です。
1つでも2つでも買ってきて、使ってみればいい。
果汁だけでなく、ぜひ皮も大いに利用してください。
美肌・抗酸化・免疫力アップなど、
晩秋のビタミンC摂取にはもってこいの食材。
独特で爽やかな香りには、
気分をすっきりさせたり、血行をよくしたり、
さまざまな効能があるようです。
3年くらい前に、ゆず仕事に関する記事を
書かせていただきました。
https://macrobiotic-daisuki.jp/recipe/yuzu-85400.html#
今見てみると、なんか恥ずかしいですが、
ゆず果汁と美味しい醤油で作るポン酢や、
マヨネーズ代わりにゆずを加えたポテトサラダ、
本当に美味しいです。
もっともっと旬のものを、
遊ぶように楽しんで味わってみてください。
いつものお味噌汁の吸い口に、
刻んだゆずの皮を散らすだけでも
本当に香りがよくなって、
ごちそうを食べている気分になります。
その他、今年おすすめの使い方はこちら。
(毎年いろんな発見があります)
【旬の柚子香る☆ほうれん草のおひたし(COOKPAD)】

美味しいしょうゆにゆずの搾り汁を加えたものを
ほうれん草のおひたしに。
動物性OKであれば、ちょっとかつおぶしを混ぜると
旨味がプラスされて美味しくなります。
爽やかな香りに癒されて、
箸が止まらずこればっかり食べてしまいます。。。
市販の大量生産のポン酢には戻れなくなります。
【ゆずのシーザードレッシング風(COOKPAD)】

これは豆乳ヨーグルトやオリーブオイル、にんにくなどと
ゆず果汁・皮を合わせて作る爽やかなドレッシングです。

小さな子どもというのは、
そんなに野菜サラダをモリモリ食べないですが、
このドレッシングをかけるとおかわりするほど食べます。
この時期は、塩もみした春菊・紅芯大根と
ナッツを合わせたものが子どもたちのお気に入りです。

高野豆腐のカツにもこのドレッシングを。
揚げ物にレモン汁をかけて食べることがありますが、
それと似た爽やかなゆずの酸味がありつつも、
豆乳ヨーグルトやオリーブオイルでクリーミーになり、
さっぱり食べやすくなります。
【砂糖なし!ゆず香る甘栗のそば粉パウンド】

今年のゆず料理で大当たりだったのが、このケーキ。
甘栗とみじん切りしたゆずの皮がたっぷり入ってます。
甘味はデーツのペーストを使用。
レシピにはありませんが、
生地に少々ゆずの搾り汁を加えると、
より爽やかな味わいになります。
そば粉使用でグルテンフリーですが、
アーモンドプードルを加えてクセを抑えています。
2本焼いて、1本は翌日に食べようと思ってましたが、
瞬時に2本とも消えました。。。
またそのうち焼こう。
なんだか、こんな風に日々ゆずを楽しんで、
次は何作ろうとか、あれまた作ってよとか、
子どもたちと色々話をしたりして、
それがワクワクするし、とても幸せ。
「旬のゆずってなんて美味しいんだろう!」
「来年もまた食べたいなぁ」
そうやって感じることができれば、
毎年決まった季節に決まった物と出会えるのは、
本当にありがたいことだとしみじみ思えます。
季節が規則正しく巡ってくること、
無事に1年を終えられることは、
本当に感謝しなきゃいけない。
昔の人たちが、無事に収穫できたことを
神様に感謝してお供え物をするという行為は、
今の私たちでは想像もできないくらい、
謙虚であり、感謝の気持ちで
満ち溢れていただろうと思います。
店に行けば何でもある、
お金を出せば何でも買える、
これからいよいよ、もうそんなことは、
言えなくなってくるのでしょう。
旬のものに向き合った時、
あるいは逆に、
旬であるはずのものに出会えなかった時、
私たち一人一人に何ができるんだろうと、
現在の異常気象についても
真剣に考えて動くための入口に立てると思います。
今の状況を『他人事』から『自分事』にするには、
季節をめいっぱい感じて、楽しんでみるところから。
毎日忙しくて時間がないという人にとっては、
心の清涼剤にもなるはずです。
ぜひ旬に触れてみてください。