海南チベット自治区、セルゾン寺、巡礼 | w-deretiさんのブログ

w-deretiさんのブログ

小学生2人、保育園1人、3人育児中、看護師してます

(2006年海南チベット自治区、興海県での話)



阿科と名乗るチベット人小学校教師と、突然、セルゾンゴンパに巡礼に行くことになった。


車が標高をどんどん上げ、ある村に着き

車内のチベット人は、車を降りて、家に帰っていってしまった。

お金は払わなくていいと、阿科に制止される。なぜ?

阿科につれられ、、商店に入る


そして、店の人と何やら話をしている

阿科が、「あなたのその靴で巡礼はとても難しい…だから、私は貴方に靴を買ってあげようと思っているのですが、良いですか?」

と。

私のナースシューズを指差す

私はとても恥ずかしかったけど、これでチベット自治区を渡り歩いて来たこと思えば、楽勝なのに…と思い

必要ない!と言い張る私に

考え込む阿科…わかったと言って出発

とりあえず、飲み物と、お供え物と、ルンタを、買って、2人で巡礼の入り口へ


巡礼の道すがら、初めは緩い山登りでした。
ところがどんどんきつくなって行きます
休憩しながら、本を読む阿科


この方は私の靴を気にしてくれたり、優しいんだけど、とにかく無愛想で


まるで、私を連れて行くのが任務かのように、淡々と冷静で


時々戸惑いました
頂上に着くと、阿科が、突然ルンタを撒きました

なにかを唱えながら

分からないから…素敵

私が見惚れてると、

我々チベット族の…なんやらかんやら

貴方も撒きなさいと、勧められる。


お供えの酒もばら撒き、初めて阿科が笑みをほんの少し、こぼしました


また、シューっと、真顔に戻って

任務かのように、サッサと歩いて行く↓
途中、五体投地しながら、巡礼しているチベット人に出会いました

ここ、青海省、海南地区も、チベット自治区なんだな…と思いました。
素晴らしい絶景でした、淡々と歩く阿科↑
途中、ロッククライミング状態で岩を登るように指示されたり

飛び降りるように指示されたり

阿科は、容赦なくて

私も意地と根性で、しがみついて行きました。

ナースシューズを否定されたことを気にして意地で、頑張っていたと思います

かなり、狭い洞窟や、岩穴に入らされ、よくわからない儀式を徹底的にやる阿科

暗くて洞穴の中が見えない時は、使い古しのローソクが道端や岩に落ちていないか、

徹底的に探し当て、ライターで火をつけ、ライトを作り

上下50センチくらいしかない狭いところも身体を真横にして、ねじ込んで入ります。

戸惑う私に、阿科はギロリと睨み

徹底的についてくるように手招きし、冷静に指示…


洞窟に洞穴に、半ロッククライミング…阿科はとにかくついてくるように指示し
厳しかったです。

チベット自治区での巡礼も正直訳わからない徹底さがありましたが

ここ、青海省も同じでした。




小屋の上に巡礼ポイントがあります

こういうの、登り続け徹底的に回ります

この洞穴も入ったは良いけど降りれない
途中から、しんどくなった私を見るにみかねて、中国東方航空のブランキットと、手提げを持ってくださいました。↑

最後の最後まで容赦なくて、しかも、暗くなって来ました。

出発したのが16時くらいで、今は20時だからかれこれ、4時間も巡礼していることになる。。。

この親切だけど暗くて無愛想で、謎のチベット男性、阿科について行くしかない

最後に岩山を根性で登ったのは良いけど

足場が悪いのと、暗いのとで、降りられなくなりました。

阿科が、必死にそっちに足やれ、手をやれ、と指示しますが、もう、どうにもこうにも降りられません


そしたら阿科が、飛び降りろと、仕草をして

下から両手を広げて、受け止めるからと、言います

えー!なんでー!

迷ってる間にどんどん暗くなります。

言う通り飛び降りるしかありませんでした。

がっしりと、受け止めてもらいました

日が暮れてきたから、急がなければと、阿科が私を急かしますが

もう、足が動きません

阿科が、ひょいと私をおぶって、あり得ない速さで、山を下り続けました。

ごめんなさい!

と言うと

「問題ない、急がないと、本当に真っ暗になってしまう」

と、大走りでした

阿科「私には妹がいて、もっと、厳しい環境と大自然の中、暮らしてきて、よく、妹をおぶった」

と、言いました

それはどこなの?と聞くと、

ここからバスや、車では行けない、バイクでしか、、、バイクでも時間がすごくかかる、地図にも無い、と言いました。

「今日は山の麓で泊まって、明日、セルゾン寺に行きます、良いですね?」

と、山の麓の民宿?巡礼宿?に連れていかれました

はっきり言って


そこは、人の家でした。

老人夫婦が2人で住んでいて、すぐ隣の部屋にベッドがランダムに2つ並んでいる部屋、さらに奥に、小庭がありました

トイレは小庭でする様にと。。。

阿科「今日あなたはすごく頑張りました、ご褒美に羊肉を食べましょう」

と、食堂に連れていかれました。

とっても美味しかったです。


この目もロクに合わせてくれない、でも力強い優しさを持った阿科が少しづつ気になりました


どんな過酷な場所で生まれ育ったんだろうな…
巡礼でクタクタに疲れていた私たちは、老夫婦のいる巡礼宿に戻りました。

やっぱり本日中には興海へは戻れなかった。







今日は保育園の生活発表会でした。
当たり前かもしれないけど
周りはまた、妊娠しまくりで
おなか膨らんでいました
双子だの女の子だの…
少子化という言葉が嘘のように、三人以上は普通のこと…
7人目とか、
6人目とか

うちの地域特別なのか?
それにしてもすごいです…
苦労を厭わない女の本能って凄い