私とPTA③(大きい声と多い声) | 和歌山中央幼稚園

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会長を引き受けて2年目の
運動会でのことだった。

当日は朝から雨模様で、
明日に順延がきまった。

あくる日、私は仕事がある。
そんな事もあり、
授業中の学校を訪ねた。

用件が済んで帰宅しようとすると、
校長先生に呼び止められ、
校長室に入った。
何か用事がある様子だった。

さあ、用件を聞こうとすると、
電話が鳴った。

どうも保護者からの電話らしい。
応対の様子を聞いていると、
「なぜ、今日運動会を
開催しなかったのか。」という
苦情というか、バカというか
情けないというか、


何とも不思議な電話の様である。
恐らく、月曜日は私同様
仕事があるのだろう。

それでも校長先生は
丁寧に対応している。

校長先生の忍耐力に
感激というか恐れ入った。

約20分が過ぎ、話を始めようとすると、
また電話が鳴った。

かけてきたのは別人だが、
話の内容はどうも同じらしい。

それでも校長先生は
へこたれる事無く
丁寧に対応していた。

また20分が過ぎた。

訳の分からぬ保護者の
感情的な電話で
お忙しい校長先生の20分と
暇とはいえ私の貴重な
休日の20分が消滅した。

いや、ひょっとしたら
校長判断の必要な
生徒への指示が
40分遅れる事だって考えられる。

二人の保護者の
単なる感情的爆発で、
750人の生徒の40分
つまり40×750
=500時間が
無駄になったのかもしれない。

学校現場はとかく
声の大きい方を向く傾向がある。

確かに大きい声はよく聞こえる。
ついついビビッドに反応するのは
ある程度理解できる。

その上、学校の先生は皆真面目だ。
大きな声に震え上がって
ついつい言う事を聞いてしまう。

これが今の学校を悪い方へ
導いている様な気がする。

そんな事があったから
という訳ではないけれど、
イベントが終わるごとに
保護者にアンケートをし、
声を聴く事にした。

集計作業はたいへんだったが、
結果をまとめてみると
結構、まともな考え方の保護者が
大多数だった。

苦労して集計したので、
広く全体に伝えたいと思い、
プリントにして結果を報告した。

もちろん、少数の
「トンでも意見」も一緒に。

結果的にそれが功を奏したのか
まっとうな意見がまっとうな意見として
受け入れられる雰囲気が
できた様な気がする。

大きい声と多い声
必ずしも多い声が
いつも正解だという訳ではない。

ただ、大きい声にやみくもに
耳を傾けると、
大局を見失う事がある。

幸い、うちの園では
「トンでも」保護者には
お目にかからない。

ありがたい事だと思う。

ただ、その背後には
大きな声より多い声を大切にする
下地があるからかもしれない。

多い声と聞いて徒党を組まれると
多い声ではなく大きい声に
なってしまうので、
保護者の皆さんにも気を付けて頂きたいが、

冷静な声には出来るだけ
耳を傾けていきたいと思っている。

ただ、いくらまっとうな意見でも
園として置かれた現状を考えると
実行に移せない事も多々ある。

そんな場合、説明責任は果たせないが、
相互理解を図れたらいいと思っている。