< ニューカマー、シャパラル2A

(フォトのクリックで動画スタートします)

数カ月前、セコハンながらCOXシャパラル2Aがコレクションに加わった。

業者から入手したので出自不詳ながら、キレイに研磨されたシリコンタイヤ付。

経年ヤケしたボディは さかつうの段付ねじと金具で車体がマウントされていた。

シリコンは十数年前からビンテージスロットカーミーティングの必須アイテム。

前オーナーは参加者の方かと想像しBig Bangで何人かに伺ったが心当たりナシ。

 

左端が今回入手した2A。 右隣りIM氏とTOM氏作に比べボディのヤケが目立つ。

 COX純正ドライバー人形は左肘を曲げてるが、こちらは肩幅以下全体的に小振り、

また一廻り大きいヘルメット共々レジンで作られてる。

マグシャーシは長いスウィングアーム付きだが、後期モデルのTM製品ではない。

TM=Team Modifiedは4車種販売されキットには36DかNASCAが付属のハズだが、

コイツには16Dがマウントされてたので、ディノWボディキット流用かと推察。

 実走させたところモーターはマアマア廻るが、ボディの共振かギヤ鳴りか?

 参加者中、走行ノイズは一番うるさかった。

 

不良アームの修理 

スマートに見えるロングアームはテープで動かないよう固定されていた。

その訳は、下部に付けられてたウェートを外したらパーツ不良と分かった。

下のフォトの通り、アームのアクスルが前後方向、上下方向とも狂っている

アームピポッド、つまり動作支点となる穴が斜めに開けられてる不具合品。

それで、前オーナーはズレを誤魔化そうとテープでグルグル巻きに固定したのだろう。

ネジを締め込まずテープで止めとけば、わずか乍らセンターに寄せられるからだ。

それにたとえ緩んだネジが走行中外れても、アーム本体がいきなりは落っこちない。

でも、これではCOXの名が廃る。

 

試しに細いビス/ナットも試したが、締め込むと又ズレた位置になってしまう。

そこで偏芯穴を補正すべく逆方向に芯をずらしたピポッドインナースペーサを制作。

 

シャーシのファインチューン 

(左)スウィングアームはどうにかマトモになったが、ここまではタダの是正作業。

(中)モーターマウントは前後調整できるTMタイプ好し悪しのガタをなくすべく、一旦肉盛り。

またスモールブロック16Dゆえに大径タイヤで高くなるロードクリアランス改善に着手。

タイヤ径を小さく車高を下げたいトコロだが、タミヤのSW同様スパー径の制約がある。

COXのシャフトやメタルはインチ径、スパイラルギヤはDP48ピッチ。

それにかみ合わせるピニオンもDP48が好ましいのは当然。

勿論COX純正で希望歯数のものを入手出来れば過ぎたるはないが、期待薄。

(右) そこで60年代後半のAYK真鍮製フラットピニオンを使う事にした。

スラント角をもったナイロン製アングルスパーと対のブラスピニオンなのだが、

それまでのSW用0.5モジュールでも後で出たアングル用0.45でもない、

僅かな期間だけ販売されピニオン側は角度ないので丁度良い。

 

手持のスパー43tは直径23.7ミリ、Rタイヤ径26ミリにすれば ;

(26.0ー23.7)÷2=ギヤ部は約1.2ミリのクリアランスが得られる。

ギヤサーフェイスは念のため芯出し。

 

またCOX製の樹脂メタルはモリブデンが練り込まれ低抵抗を狙った六角穴タイプ。

その柔軟性から芯出し不用だが少々ねばる感がある。

ハイパワーの36Dなら何てことないが、トルクの細い16Dは少しでもフリクションロスを減らしたい。

汎用の砲金メタルに交換し、スムースに廻るよう内側をハンドリーマでさらった。

一般的な砲金メタルに交換して芯出し後、26㎜径タイヤを付けるとシャーシーの

    ロードクリアランスは3.2㎜もあるが、ギヤスペースは少々心もとない1.2㎜。

   車高は未だ詰めたいトコロだが、スパー交換が必要だし、あまり小径タイヤは考えモノ。

    外観もビンテージスロットカーらしくないと。

 

ボディのレストア 

クリヤ塗装が未だキレイなので、経年劣化はあっても全塗するのは惜しく感じた。

それに全塗するならウィンドスクリーンを一旦外さなくてはならない。

剥げたゼッケン補修すれば、ビジュアル良くなるのでは?と考えた。

古いデカールを剥がすとどうしても凸凹になる。

当時モノのデカールは割れたり密着しなかったり、マトモに再生する自信などない。

無理ない範囲でペーパー掛けしてからゼッケンサークルをペイントした。

サイドやテールも同様だが、特にテールは逆アールが付いてるので手間どった

塗ってペーパー掛けを2度繰返して妥協することにした。

キット付属のデカールは65年セブリング優勝車ゼッケンNo.③。

悪くないがメジャー過ぎてつまらない。

No.④も一緒に出場していたと知り、手描チャレンジ。

手描きゆえ左右の印象が違うものになってしまった..。

が、フロントと違い左右は同時に視界に入らないから良しと妥協。

歪んでいた黒塗りのロールバーはポッキリ折れたので、

プラ棒をライターで炙って作ってみたが、曲げ位置合わせが難しい。

先達っての”BARDAHL”ステッカー同様、3回目で手慣れ5回目で妥協範囲に。

ドライバ―人形はくすんでいたのでカヲを塗り直した。

60年前のハンブロールも良くかき混ぜると使えそう..

だが、スーブーフェイスになってしまったので、塗り直し。

筆は100均で買った200円モノ。

それにしてもホビー用は650円.. 柄はソックリだし、もしかして同じメーカー?

ハンドルを持つ腕は開きすぎガタガタ、Monogramの大径ステアが丁度良い。

迷ったが、ドライヤーで肩を暖めて絞ったら小径COXステアでも大丈夫に。

 

ロールバー取付後、若干の修正したら曲げ部がワレたので再制作。

柔軟性あるスチロール材でも一度熱を加えて曲げると、その部分が硬化しワレやすくなる

ステアリングシャフトも短かったが、ウィンドウを外さない限りインパネに届かせるのは不可能。

先にハンドルをインパネに接着するとドライバー人形が入らなくなり、

ハンドルとグローブを着けてからだと、長いシャフトでは人形をこじ入れられなくなる。

そこで、できる限り延長したメッキシャフトのハンドルにを人形のグロープに接着して押し込んだ。

気休めかも知れないが、違和感は軽減されたろうか..。

 

ボディマウントは前オーナーの労作。後ろが真鍮板で作られているが前はアルミ板。

アルミはネジが緩み易くバカ穴になりかねない。真鍮板にM2タップで作り直した。

また走行時の騒音うるさくガタつくのを抑えたく、表面にゴム質のテープ:

3M™ Double Coated Tissue Tape 9448A を貼り付けた。

... 効果はあまりなかった。

 

< ビッグバンGPⅡ参加 

7月に続き9月13日ビッグバンGPに参加、先ずはUSRRC、Can-Amの前身クラス。

 

いにしえのモーターはマブチFT16限定だが、軽量な車体と相まってダルさはない。

 

電光掲示板はハイスピードシャッターでは写らない。

デジタル表示とはいえ交流制御のネオン球、1/45程度でないとモアレが酷くなる。

下のフォトは第5ヒート、

 

実況解説は;

(左) ゼッケン6ロータスのUS選手、有利とはいえない3コースでTOPを走ります。

       一周のベストタイムは8.853秒、今も8.955で廻って13周目に突入しました!

(中 ) 続く7コースはゼッケン34、同じく黄色いロータスのTOM選手も13周目に入り、

       ここで8.763秒とベストタイム更新、この勢いで追いつくでしょうか ⁉

(右) 最終ラップ、US選手が逃げ切って19周でトップゴール!

       TOM選手はベストタイムマークしたものの届かず18周でヒート終えました。

 

リザルト ;

1位: 115ラップ / SCARAB/KMY 

2位: 113ラップ / LOTUS   /US氏 

3位: 110ラップ /LOTUS23   /TOM氏 

ファステストラップ : 8.41 sec /KMY

2nd ファステスト : 8.63/TOM氏

 

TOM氏ピットにて、レベルシャーシのロータス23はストレート最速。

 FT16は明るい銅色ウレタン線の後期バージョン、クラウンは28t。

 

FT16メモリー 

FT16から始まったマブチモーターも16D、36、36Dと増えたが、当初はみな茶線

その後 赤線巻の36Dに続き青線26Dが発売された。

ブームも一段落し営業サーキットも減ってった頃、16Dは多く売れ残ってしまった。

だが、16 は生き残った。

輸出需要もあったのだろうが、AYKが新たにクリヤ32クラス用シャーシを販売。

小規模サーキットやホームコースに最適とのマーケティングだったのだろうが、

インラインや後のアングルにもFT16専用で作られていた。

自分も三田は慶応傍の玩具屋で明るい色のウレタン線16や1/32キットを買った。

一方、16Dはカラーの巻線でアップデートどころか売残り処分される事もあり

ブームの終焉と併せ、当時の子供心に悲哀を感じたものだった。

 

哀愁の東京タワーサーキットも16Dも無くなったが、勿論それが全てではない。

白金レースウェイは続いていたし、70年には満を持してNEW16Dが登場。

構造もカンドライブの旧16Dと反対側、ネジ穴側エンドベルドライブとなり、

赤く輝くウレタン線に強力マグ装着、メタルホルダーは真鍮から軽量アルミ合金、

さらに内部はボールベアリング入りのハイパフォーマンス。

それまでサーキットを席巻していた26Dに立ち向かったのも懐かしい..。

マブチは余程 ”16D”の名称が気にったのだろう。

黎明期の米国で大売れし、”16D”の名は 現在でもサイズ基準呼称となっている。

(..再々生産されたエンドベルドライブのFT16青線巻も米国では通称16Dと呼ばれている)

前述のブルーパッケージに入った高コストの”NEW16D”は70年代初頭で姿を消した。

その後は、左端の2個のような青線赤線の”FT16D”となり90年代まで販売が続いた。

半金色ユニクロメッキの重いカンケース、ベアリングも無くメタルホルダーも真鍮製、

マグも平凡な廉価版だったが、シャフトの向き違いや同軸(両)まで様々な仕様違いが

同じ名前で出された。

ニチモのロングセラー”ホームコース”が80年代、車幅を増やしたバンクコースを販売、

(旧規格コースともアダプタで連結可)付属のRTRカーにも採用。

いわば廉価デチューン版ともいえるのだが、唯それもマブチの意図する位置づけだった。

つまり同時期に併売したハイパフォーマンスFT270Sが高価(3K¥)でも白金には必要だから。

フォト左端の黒い3個のプラは当時、最終?16D販売前にマブチが試作したエンドベル。

昔、白金レースウェイのオーナーからテストしてよと頂いたものの残骸だが、

そのエンドベル中はメタルタイプからベアリング入りまで様々だった。

当時のハイメカレジェンド堤氏同様、自分もいろいろトライさせて頂き楽しかった。

カンケースを切って継足し張ってフランケン的16-26混血モーターを造ったのも懐かしい。

頂いたエンドベルは プラ自体の材質違いがあり、高耐熱らしき硬質でザラザラしたものも。

..唯、マウント穴に木ネジ入れたらボソボソに崩れてしまい、使い捨て試作品と諦めた。

 

COX-SW GP 

さて、COX GPに持込んだ我がニューカマー、ゼッケン”4”のシャパラル。

プラクティスではやはり他車より騒音大きくボディがガサガサ揺れマグシャーシと

共鳴してるかのような音を出して走る。

そして、ついにはマウント部段付きネジを落っことして、ボディがガタガタに。

US氏が懐中電灯を貸してくれ、ひとまわり探したが見当たらない。

諦めかけていたらTOM氏が”段付じゃないけど”とM2ネジスペアを分けてくれた。

そのネジをつけてたら、今度はKD氏が”これですか?”と見つけてくれた!

ありがたきことこの上ない、重ねて 感謝申し上げます!

 

さて修理したゼッケン”4”、ナラシも出来たか幾分速くなったので本番でも使った。

スタート前のシャパラル、同じ前列に並んだラベル”4”シャパラルはIMT氏ヒート3位。

  自分は先頭から離されるも、何とかトップと同一周回数の2位にすべり込めた。

交代で出走のチータはシャパラルより0.4秒速いが、パワフルな分ントロールには気を遣う。

  右フォトのラベル”4”は今回優勝US氏赤ロータス、前列左のレアなシャパラル2DはFJM氏の作品。

 

スケールスピードは実車の倍にもなるスロットカーだが、スタートでは

リヤのシリコンタイヤをホイルスピンさせるようなパワーはない。

せいぜいジャダらせるくらいなのだが、コーナーでリヤタイヤは簡単に横滑りする。

そしてその状態になってからは進行方向にもスリップする。

つまりタイヤとしてはナナメにスリップしているのだがタイヤ屋さんに言わせると

わずかに滑っている時こそが一番グリップがあがっている状態だとされる。

それをラフな数値でいえば、全くのライン通り(スロットカーでアンダーステアとは言わないが

リヤはガイド溝より内側をトレースしている状態)を100%として120%以上がスピンアウト、

または大きく姿勢を乱してロスしている状態と仮定すると、

110%位で僅かにナナメに滑りながらコーナーを抜けるのが最も効率が高いとのコト。

コーナー途中でレバーを煽ってシリ振りダンスしても速く走れないのは、誰しも経験ある事だろう。

またストレートからコーナーへの進入速度も、遅すぎればそれだけロスをしている、

かと言って速すぎてもイケナイのは言うまでもない。

フロントからそのまま抜けたり、逆にガイドシューが残っても遠心力でフラれた

リヤからヌケたり車体バランスとコーナーのRやカント角度で一様ではないから

難しくもあり、楽しくもある。

それもまたタイミングによっては、テンプクしてしまうことも.. 

一度レース中に、コーナー入ってすぐのトコでシャパラルを転覆させてしまった。

もしも実車でやろうものならジムやジョンが命がいくつあっても足らないだろう。

まぁいろいろトライしたがシャパラルのベストは8.7秒を僅かに切るのがやっと。

どうも36Dとのパワー差はいかんともしがたいが、改善の余地があるかも知れない。

モデルスピードライフの萩原氏もボディの揺れでスピードがのらなくなると仰せだし

アストン+ホンダじゃないが共鳴振動は低減させたいものだから。

 

レースも無事終了し一般開放(右)。運営管理から実況アナウンスまで ありがとうございました!

 

リザルト ;

1位: 116ラップ / Lotus 30  /US氏

2位: 114ラップ /Chaparral 2A +Cheetah /KMY  

3位: 109ラップ /Chaparral 2A +Cheetah /TOM氏 

ファステストラップ : 8.02 sec /KMY 

2nd ファステスト : 8.26/US氏

 

TOM氏のオレンジチータとカレラコースで記念撮影。チータは個性的なカラーが似合う。

  右は新たなU企画、レベルとニチモのアルミシャーシに旧FT16のフォーミュラクラス。