今年の走り納め、ミントGPは、ビンテージスロットカーを走らせられる

貴重な機会。

神戸ミントホビーから今でも購入できるタミヤA型シャーシ(レプリカ)等で

60年代当時を再現している。

タミヤの再販スロット用ボディや当時のハセガワ製ディノ166P*を使い、

フォーミュラを含め、3クラスも楽しめる。

大雑把に言うと ;

 Dinoワンメイク : ボディはハセガワ製ディノ限定*シャーシはタミヤA(SUS)

                        モーターはFT-16D、ガイドシューはタミヤキャスタ型で、

                        シャフトやタイヤは現行生産品仕様可

 タミヤGTクラス  : ボディはタミヤのGTカー ** シャーシはタミヤA型

                       モーターはFT-36/36D 

 フォーミュラクラス :  ボディは当時モノだけでなくレジン製もOK(クリヤ不可)

                        モーターはFT-16、 シャーシは当時モノ

 

* 当時モノの長谷川製作所のプラボディ、ディノ166Pが今でもミントホビーで購入可!

    Revell シャーシキット等も供給してくるので、ビンテージャンキーにはありがたい。

 

** ロータス30/40、キングコブラ、エルバ、ローラ等、再販ボディの存在で、気分良く走れる。

  再販ボディが出る前、3~4万していた頃のビンテージ会ではガラスの宝石?を

   コワゴワ走らせる気分だった。

 

そんな開催経緯からすれば、先ず特徴的で華やかなメインイベントは

ディーノ166のワンメイクだろう。

自分は中団~下位の走行ながら、いつもTカーも用意しての参加。

高回転型FT-16Dは熱的に苦しいが、Tカーがあると心理的に楽 ***

Tカーのメリットは2台の違うセッティングも楽しめること。

私は前回ハーフフリーホイルやハイギヤードを試したところ、何と、

ベストラップをマークできた。

気を良くして、今回もう1台のギヤ比もロングに振って臨んだところ

フリー走行で2台共ほぼ同じ感触とタイムになった。

両方交互に使おうと思ってたら、参加されたTK氏がディノクラスの用意

が無いと伺い、前回ベストラップを出したTカーをレンタルした。

本番はかなりの接戦。 同じカラーリング、2台の我がワークスディノが

ワンツー走行する場面もあって、(ゴールまでは続かなかったが)なかなか

楽しい画になった。

華やかなディノ166ワンメイク、リラックスできるのはタミヤクラス。

重量級の安定感とトルキーなFT-36/Dはマイルドなコンビネーション。

実際、最も走らせやすくてタイムも速い。

一方、”F1”は、これらと違い、サスなし最軽量で安定より操縦性重視。

実車F1同様、シビアな操作で気を抜けないから少々疲れる。

が、気合入れるといいタイムが出るので、ウデの見せ所でもある。

 

私はF1も2台体制で、ニチモのポルシェとラスキットのクーパーを使い、

5月 1stラウンドは2位、前回 9月ラウンドは3位で連続表彰台と好調。

前回ギヤ比をロングに振ったニチモが偶然乍らファステストタイム。

そこで、ラスキットのクーパーもギヤ比も換えて参加した。

ラスキットのスパイダーシャーシは、名の如くフレームからタイヤまで4本の

伸びた軸受を手足のようにしならせ、ソリッドなアルミのニチモにはない

コンプライアンス(操作的自由度)がある。

フリー走行での感触良く、今年最後のミントGPにして本日の最終レース、

今回こそ表彰台センターを狙えるかもしれないと期待していた。

あたかもフランスGPでPPを獲ったマトラの如く、ベストセッティングの気分。

ドライバ―人形もC.エイモン****、 63年クーパーに乗ってたし、ちょうど良い。

5ヒートを終えた時点で、ファステストラップを2回取り調子上々。

2ヒートはアタマを獲って、いよいよエイモンのクーパーは優勝候補。

だが、同じラスキットのフェラーリも2ヒートトップゴール。 

つまり最終ヒートの勝者が1位なのだが、やはりあせりは禁物。

最終ヒート終盤でトップを走行中、ストレートで一番伸びていたラップ

遅れのロータスに絡まれクラッシュ! ..あぁ、Jクラーク憎くし(笑)

結果は2ラップ遅れの2位。

又もエイモンの呪縛か(アーサーおじさんゴメン!

ガイドアームやバランスウェートひん曲げ走行不能!ボディマウントも痛めてしまった。

後日、グラスウールテープを巻いて補強修理。

実は前を走るロータスが、ラップ遅れでもクーパーより速かったのだ。

自分がアウトコースなのに、あまり引いてなかったのは反省点。

たとえ調子よくても、”速いクルマとストレートで勝負してはいけない”

と、横山光輝の漫画にも描いてあるのに..

⇒ グランプリ野郎(その②)  (ameblo.jp)

それにしても、安定した走りでお立ち台センターの勝者は Jサーティース、

さすがデス。

ゲン担ぎで自分もサーティース人形を引張りだそうかな(^^;)

 

*** 

現在は、3クラス共、<3分x全レーン分ヒート>の周回数レースなのだが、16Dを使うディノは

かなりモーターが熱くなる。 

KD氏はインターバルで瞬冷スプレーを愛用してるし、また前々回ベストラップで廻った

YS氏は今回モーターを焼付てしまったようだとお嘆きだった。

Tカー無しエントラント方のために、時短やコケたら終わりの周回数ゴール等スプリントレースに

すべきかも知れない..。

一方、タミヤクラスは36/36Dを使うせいか、レース後でもモーターは殆ど熱くならない。

出力容量に余裕があるのだろうか、タイム的には3クラスの中で一番速いのだが、

重厚ダルな安定感もあって最も疲れずリラックスして走れる。

 

**** 

クリストファー A.エイモンは63年、当時の最年少(19才)でF1デビューしたので、

鉄人28号の正太郎君同様、子供心に親近感と憧れをもっていた。 

正太郎君との違いは、鉄人のような相棒に恵まれなかったことだろう。

F1未勝利ドライバー中、最もリーダーラップが多かったが、ノンタイトル戦

(=アルゼンチンGP、翌年からタイトル戦)ローカルでのF1優勝はあっても、

公式戦で表彰台センターに立てなかった。

M.アンドレッティに(確かJ.マセのインタビューで)”彼は葬儀屋をやるといい、

誰も死ななくなるよ~”といったような意味のジョークを言わせた。

アンドレッティと耐久でコンビを組んだ時も、長い間トップを走りながら、

結果は2位。

エイモンは僚友にヒドイ事言われても、苦笑いするしかなかっただろう。

マシンを傷めず速く、また的確にフィードバックできるF1ドライバーとして

マウロ・フォルギエリ(1935-2022)をしてフェラーリ最高のドライバーと言わしめ、

GOODYEARも彼の意見を最優先していた。

まぁ、ヨアキム・ボニエしかり、彼の人間性は見習うべきだろうと思っている。

後年インタビューで”あなたは不運だと思わないのか”の問いに

”No!自分は事故で死ななかった”と答え、 またチームが財政難の時は

自費でCan-Amにエントリーしていたとも聞いた。

F1で最も不運な名ドライバーにスロットカーの世界から月桂樹を贈ろう..

なんて楽しみは、又次回に持越しだ。