前述のジャズ界の帝王マイルス・デイビスは、その自伝が面白く。
マイルスは人間的魅力に溢れており、とにかく男としてカッコ良く。
で、若い頃に結構、マイルスのアルバムを購入したものの実はあまり聴き込まず。
バド・パウエルからジャズを聴き始めたのでトランペット主体の演奏をあまり聴かないのですが。
一番、良く聴いたトランペットの演奏者ならファッツ・ナヴァロかなあ。
敬愛するバド・パウエルのリーダー作品「ジ・アメイジング・バド・パウエルVol.1」で、ナヴァロは気合の入った演奏をしているのですが。
ジャズを聴き始めた大学生の頃のワタクシは、とにかくパウエルの演奏を聴き込みたくて、ホーン奏者が入るビッグバンドの演奏は、聴き流しており。
ただ、一通りパウエルのピアノ・トリオ作品を聴き込んだ後に、このジ・アメイジング~の名演を聴き込むようになり。
「バウンシング・ウィズ・バド」、「異教徒たちの踊り」、「ウェイル」の奏者の顔ぶれはとってもゴージャスで。
リーダーのパウエルは勿論、テナーサックスのソニー・ロリンズ、そして今回の話題の人、トランペットの「ファッツ・ナヴァロ」。
ファッツ・ナヴァロは若くして亡くなったので、それほど多くの作品を残していないようです。
有名なのは、上記のパウエル作品での演奏のほか、「ザ・ファビュラス・ファッツ・ナヴァロ」、「ノスタルジア」。
上記作品は、マイルス以上に良く聴き込みました。
ザ・ファビュラス~とノスタルジアは、コンポーザーでピアニストのタッド・ダメロンとの共同作品のようで、このタッド・ダメロンの曲は、モダンジャズの演奏でありながら、アルバムのタイトルのようにまさしく「ノスタルジア」。
ナヴァロの演奏は、物凄く演奏に集中している感がありながらもどこか淡々としており、そこがカッコ良く感じます。
マイルスの演奏の緊張感とはまた別の領域にあり。
尚、ファッツとは「太っちょ」の意味のナヴァロの愛称だそうです。
また、エピソードとしては、ナヴァロとパウエルは犬猿の仲で、それがアルバム「ジ・アメイジング~」の演奏の緊張感を煽った、とも言われております。
気が向いたら、聴いてくださいませ。
Bud Powell - Bouncing With Bud (youtube.com)
Bud Powell - Dance of the Infidels (youtube.com)