拝啓、摂食障害で苦しむあなた
ここから、あなたのことを想像しながらお手紙書くね。
私は初めましてだけれど、摂食のあなたの苦しみについては、寄り添うこと出来るから。
あなたは、もう何年この過酷とも言える闘いの中、生き抜いてきたのでしょう。
まずは、そんな自分を誇りに思ってください。
もしも、あなたのことを摂食が理由で、バカにしたり、理不尽な対応を
した人がいたら、その人があなたの人生を代わりに送ることになったら、きっと途中で投げ出してしまうでしょう。
あなたは、摂食を治したいですよね。手放したいですよね。
それと同じくらい、あなたは、摂食を手放したくないですよね。
手放したら現実的に生きていかなくてはいけないものね。怖いですよね。
あなたの心も、いつもそれと同じですよね。
本当はこうしたいのだけれど、
本当はやりたくないですよね。
いつも、判断に悩みますね。そして、自分の下した判断に自信が持てず、本当に良かったのか、悩んでしまいますね。
その時は、本当にそう思ったのも分かります。
でも、やっぱり、あとから心が動き出すんだよね。
いつも食べる時、多大な緊張とストレスがかかりますね。
食べる事って、毎日のことで、他の人はそれを当たり前にこなしています。
何も考えないで、むしろ楽しむくらいにそれが出来てしまいます。
でも、あなたは、出来ないのね。
これを食べたら太るんじゃないか、
どれが一番カロリーが少ないか、
沢山悩みだすよね。
毎日の事で、それだけ悩んで苦しんでしまう、摂食だって、やりたくてやってるわけじゃないし、なりたくてなったわけでもないよね。
もしかして、あなたに明らかな原因があるなら、それがもし、親の事だったり、家庭環境のことだったら、恨んでしまうよね。
恨んでも、なにも変わるはずないと、あなたは賢いから分かっているから、余計に辛いよね。
本当は、摂食障害になんかなりたくなかったよね。
普通に食べる事、排せつ、睡眠をして、人並みの人生がよかったよね。
どれほどあなたの涙が枯れそうになっても、この世界は全く色を変えず、
どれほどあなたは怒りに似た苦しみに叩きのめされたでしょうか。
他人の視線の無言の重さに、
体重計の示す無機質な数字の重さに、
あなたの憂鬱な心の悲しみの重さに、
摂食障害という病の重さに、
本当によく耐えています。
過食しているときの苦しさ、
吐けない時の絶望感、
理解されずに取り残されたような焦燥感
色んなものを抱えながら、それでもよくここまで生きてくれた。
今も生きている。
そんなこと、望んでないからとあなたに言われそうだけど、
そう、あなたがどれほどにぱぁっと消えたいと思っているか分かるから、
でも、どう考えても、その状態で今を生きているということがすごいのです。
良い悪いを横に置いてみましょう。
痩せた太ったを横に置いてみましょう。
ダメな自分そうじゃない自分を横に置いてみましょう。
あなたの人生にたった二つの選択肢しかなかったら、苦しくて当然だよね。
そして、一つしか選択肢がなかったら、あなたはとても自分に厳しいから、それをこなせなかったら、きっと自分が自分を酷く、強く罰するのでしょう。
もっと楽に生きている人は、
きっと人生での選択肢の幅が広くて、これが出来なくても、あれにしよう、とか、これが出来なくてもまあいいかと、自分に対する期待が良い意味で低いです、きっと。
選択肢が狭いと、あなたじゃなくても誰でも疲弊しますね。
賢いあなたのことだから、
生きる上での色んなこと、分かっているかもしれないですね。
それでも自分のことは、誰しもが悩むのですね。摂食に関わらず。
でも、今日は本当に心から私に言わせてください。
あなたは本当によく頑張っています。
摂食障害というあなたの才能を、たまには違った表現の仕方で、解放させてみませんか(^^)/
最後まで読んでくれてありがとう。