つれづれにっぽん33 【原文って面白い】 | つれづれ にっぽん

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にっぽんの神話を、エッセイ風に書いています。

【原文って面白い!】

 

 「古事記、万葉集、古今和歌集は原文で読破したんです」

っていうと、大抵の人は「えーーー!」ってなります。


「それで、分かるの!?」って。

そりゃあ、多少は難しいですよ。でもね、



原文のほうが面白いんです!

 

原文のほうが、面白いんです!(二回目)

 


現代語訳は、今の言葉だから、もちろん読みやすさはあります。でも、学術的ななんたら、みたいなものに彩られ、堅苦しいんですよ。


原文だと、そういうものがなく、そのまんま、自分の思うように読めるんです。わかんない単語があれば、調べればいいんです。


しかも古事記の原文は、「読めばわかる」か「漢字を見ればわかる」ものが多いんです。例えば、

 


「(国が)久羅下為すただよへる時に」

(くらげ なす ただよえる ときに)


は、


「国がクラゲのように漂っていた時に」ですよね。

(この時代からクラゲってあったんですね!)

 


「大樹に向かひて放尿したまふ」

(おおき に むかいて ゆまり したまう)


は、日本初の立ちションです(笑)


立ちション(=゚ω゚)ノ


 

このコラムでも何度か書いている、スサノオがアマテラスの家にう〇ち撒き散らすシーンは、


「屎まり散らしき」

(くそ まりちらしき)


って書いてあるんですよ!

 

💩


笑えるでしょう?

 

 

でもでも、やっぱり読もうとすると難しい……。


そんな方にお勧めなのは、万葉集、古今和歌集!


一首ずつ取り出して読めるから、あんまり飽きないんです。


古事記は読みやすくて面白いんですが、区切りがないから、初めての人は飽きやすいかなあと。

 

いや、読みやすさ、意味の取りやすさは古事記が上ですよ。

和歌になると、いろんな技巧が入ってくるので。


ですから、自分の好きなほうからやるのがおすすめですね。


(古事記は上巻が面白いです。中巻、下巻は、大半が「〇〇天皇。△△で生まれて何歳で即位。誰々の娘□□と結婚して●●を生んだ。何歳で崩御」しか書いていないんです。)

 

 

そんなわけで、今回、「これが分かれば、今より10パーセント原文が面白くなる!」という文法二つをご紹介します。古典文法なんてきらい、っていう方にもわかりやすいように頑張ります!



 

●その1 「な〇〇そ」


「な〇〇そ」で、「〇〇しないでくれぇ」という意味を表します。

(あとは、和歌の雰囲気に合わせて訳しなおします)


例文「春の鳥 な泣きそ泣きそ」

超訳「春の鳥よ、泣かないでくれぇ! 頼む、泣かないでくれぇ!」


読むときは、「な/〇〇そ」で区切ると通っぽくなります(笑)

 



●その2 「〇〇を△△み」


「〇〇を△△み」で、「〇〇が△△なので」という意味です。


例文「髪を短み」

訳「髪が短いので」

 

ちなみに その2 の例文は、万葉集「振分の 髪を短み 青草を 髪にたくらむ 妹をしそ思ふ」


(ふりわけの かみをみじかみ あおくさを かみにたくらむ いもをしそおもう)


から来ています。



訳:

振分髪(っていう、今でいうおかっぱみたいな髪型があるんです)だから、髪が短いので、髪を結べない。それで、青草を髪に混ぜ込んで髪を結んでいるであろう、君(彼女)のことを思っているよ。


(髪を結べない=たけない。髪をアップにすることを「たく」といいます。今の「たくしあげる」のもとです。)

 

素敵ですよね。

というか、この時代からエクステみたいなことをやっていたんですね! 草で(笑)

 

 

こんな感じで、原文も面白いんです! ちょっとだけでも、興味を持っていただけたら嬉しいです♪  


ではまた(^^)/

わらび


写真は葉わさび。

葵寿司の葉っぱ。

徳川家の葵紋に似てるな。