【原文って面白い!】
「古事記、万葉集、古今和歌集は原文で読破したんです」
っていうと、大抵の人は「えーーー!」ってなります。
「それで、分かるの!?」って。
そりゃあ、多少は難しいですよ。でもね、
原文のほうが面白いんです!
原文のほうが、面白いんです!(二回目)
現代語訳は、今の言葉だから、もちろん読みやすさはあります。でも、学術的ななんたら、みたいなものに彩られ、堅苦しいんですよ。
原文だと、そういうものがなく、そのまんま、自分の思うように読めるんです。わかんない単語があれば、調べればいいんです。
しかも古事記の原文は、「読めばわかる」か「漢字を見ればわかる」ものが多いんです。例えば、
「(国が)久羅下為すただよへる時に」
(くらげ なす ただよえる ときに)
は、
「国がクラゲのように漂っていた時に」ですよね。
(この時代からクラゲってあったんですね!)
「大樹に向かひて放尿したまふ」
(おおき に むかいて ゆまり したまう)
は、日本初の立ちションです(笑)
立ちション(=゚ω゚)ノ
このコラムでも何度か書いている、スサノオがアマテラスの家にう〇ち撒き散らすシーンは、
「屎まり散らしき」
(くそ まりちらしき)
って書いてあるんですよ!
💩
笑えるでしょう?
でもでも、やっぱり読もうとすると難しい……。
そんな方にお勧めなのは、万葉集、古今和歌集!
一首ずつ取り出して読めるから、あんまり飽きないんです。
古事記は読みやすくて面白いんですが、区切りがないから、初めての人は飽きやすいかなあと。
いや、読みやすさ、意味の取りやすさは古事記が上ですよ。
和歌になると、いろんな技巧が入ってくるので。
ですから、自分の好きなほうからやるのがおすすめですね。
(古事記は上巻が面白いです。中巻、下巻は、大半が「〇〇天皇。△△で生まれて何歳で即位。誰々の娘□□と結婚して●●を生んだ。何歳で崩御」しか書いていないんです。)
そんなわけで、今回、「これが分かれば、今より10パーセント原文が面白くなる!」という文法二つをご紹介します。古典文法なんてきらい、っていう方にもわかりやすいように頑張ります!
●その1 「な〇〇そ」
「な〇〇そ」で、「〇〇しないでくれぇ」という意味を表します。
(あとは、和歌の雰囲気に合わせて訳しなおします)
例文「春の鳥 な泣きそ泣きそ」
超訳「春の鳥よ、泣かないでくれぇ! 頼む、泣かないでくれぇ!」
読むときは、「な/〇〇そ」で区切ると通っぽくなります(笑)
●その2 「〇〇を△△み」
「〇〇を△△み」で、「〇〇が△△なので」という意味です。
例文「髪を短み」
訳「髪が短いので」
ちなみに その2 の例文は、万葉集「振分の 髪を短み 青草を 髪にたくらむ 妹をしそ思ふ」
(ふりわけの かみをみじかみ あおくさを かみにたくらむ いもをしそおもう)
から来ています。
訳:
振分髪(っていう、今でいうおかっぱみたいな髪型があるんです)だから、髪が短いので、髪を結べない。それで、青草を髪に混ぜ込んで髪を結んでいるであろう、君(彼女)のことを思っているよ。
(髪を結べない=たけない。髪をアップにすることを「たく」といいます。今の「たくしあげる」のもとです。)
素敵ですよね。
というか、この時代からエクステみたいなことをやっていたんですね! 草で(笑)
こんな感じで、原文も面白いんです! ちょっとだけでも、興味を持っていただけたら嬉しいです♪
ではまた(^^)/
わらび
写真は葉わさび。
葵寿司の葉っぱ。
徳川家の葵紋に似てるな。