前回の120巻の発売からなんとわずか2か月で、この121巻は発売してくださったからです。
ここ数年間、平均4か月の間隔で次の巻が発売されてきたと思いますが、この121巻はその半分の期間で発売になったのです。
はじめの一歩(121) (講談社コミックス) [ 森川 ジョージ ] |
これは、一日千秋の思いで121巻を待ちわびていた我々にとっては本当にありがたいことでした。
この121巻はまさに「今後のはじめの一歩の方向性が見える(はずの)一冊」ということで、これまで以上に気になっていました。
前巻120巻でとうとう幕の内選手が負けてしまい、しかもパンチドランカーであることがほぼ間違いない(だから距離感が狂って負けてしまった)ことが明確になってしまって、今後この長編漫画はどういう方向に進むのか、想像ばかりが駆け巡っていました。
そして、この121巻を読んで思ったことは
「きっと幕の内選手は、もう一度選手として復活する」
ということです。
なお、そのような言及は全くありませんし、「こりゃあ絶対に復活するな」とわかるような直接的な振りもまだない状態です。
むしろ、幕の内選手の引退の意思は固く、すでにセコンドとしてのセカンドステージも見えていますし、今ならまだ生活に支障をきたすような障害もない状態ですので引き際としても適切で、しかも日本フェザー級チャンピオンとして8回も防衛したという輝かしい結果も残しており、本人も「戻る理由がない」とまで言っていますので、普通に状況を考えれば幕の内選手の復活はないと考えるのが妥当だと思います。
ではなぜ復活すると思ったかと言いますと、いくつかありますが最大の理由は、ボクシングを始めた理由、「強いとは何かを知りたい」について、引退宣言の前後で全く言及していないということです。
少なくとも引退試合となった120巻のゲバラ選手との試合には、そのことに関して何一つ触れていませんから、あれが最後の試合というのは不自然すぎると思います。
また、絵から伝わる作者の意図という意味でも、これで本当に引退するわけではないと読める部分があります。
それは、幕の内選手が会長の前ではっきりと「引退します」と言ったページがあるのですが、そのページの描写に重み・深みがなかったからです。
この作品の作者である森川先生は、「場の空気」みたいなものを絵に込めるのが上手いと思いますし、また、今後の展開に大きく影響を与えるような絵を重く書くのが得意だと思います。
だからこそ、非常に感情移入しやすい作品が書けるのだと思いますが。
120巻も続いてきたボクシング漫画の主人公が現役を引退するのに、その引退宣言のページに重みがない、というのは逆に不自然だと思います。
・・つまり、これが本当の引退ではない、また復活するからその引退宣言に重みがない・・と考えられなくもないと思いました。
また、話の展開、という観点から考えて、新型テンプシーロールを大舞台でぶつけないで終わり、ということはあり得ないのではないかと思います。
新型テンプシーロールは、それを完成させるのに実に70巻近くも前からその土台作りを始めてやっと形になった、現状ほぼ死角の見えない大技だと思います。
それを、結局日の目を見ないまま終わり・・というのではあまりにも期待を裏切りすぎのような気がします。
せめて、世界タイトルマッチか、もしくは因縁の宮田一郎選手との試合でその技が封じられて破れるなら納得も行くと思いますが、今のままではあまりにも煮え切らないと思います。
ただ、今の状態で幕の内選手が復帰するのはあまりにも危険であり、次に強打を頭に受けたら高い確率で日常生活に支障をきたすレベルのドランカーになってしまう状態だと思います。
したがって、復帰するとしたら最低でも1~2年のブランクを置いて、ドランカー疑惑が完全になくったことを確認してから(そのような状態になる日が来るのかも微妙ですが)の復活になるべきだと思います。
次の展開が大変気になるところです。