文庫本版「火花」を読もう | 気分良く前向きに生きよう & テクニカルを楽しむ

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日常感じた心の世界に通じることや脳の働きに関することを書きながら、PCや携帯やプログラミングなどの技術的なことなども書いていこうと思います。

今更感はありますが、先日文庫本版の「火花」をカミさんから貸してもらって読みました。

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「火花」は、推理小説やSF小説などのように、いわゆる「次の展開が気になって気になってしょうがない」という類の小説ではありません。
「火花」はある若手芸人の気持ちの動きをリアルに表現した小説でしたが、これはさすがに芥川賞受賞作品だけあって、見事な作品だったと思います。

若手芸人たちが、どんな気持ちで日々を過ごしているのか、彼らにとってのゴールとは何なのか、どんな苦悩や葛藤があるのか、生活はどうなのか・・といった若手芸人の本当の世界が、主人公の気持ちを通してリアルに伝わってくる内容となっており、そのあたりはやはり、本物の芸人である又吉さんだからこそ表現できた世界観だったと思います。

また、文章表現も十分に上手く、文字を通してのリアルな世界が脳内に広がる感じでした。

おそらく、ただ若手芸人のリアリティを表現するだけならば、他の若手芸人でもエッセイなどを不器用な日本語でもいいから書き殴れば、何か伝わるものがあるだろうと思いますが、小説、という形で仮想のストーリーを作って、文字だけを通して主人公の姿や風景、気持ちの動きといったものを「目に浮かぶように」表現するのは、簡単なことではないと思われます。

なお、ストーリー展開も面白いです。
推理小説のよう類の小説ではない、と上の方で書きましたが、読むのが退屈になるような流れは全くなく、そして終盤の方はやはり続きが気になって、止められない感じになりました。

また、最後の方では、まず誰も予想できないような驚きがあり、自分の中でもいまだにその余韻が消えません。


最後に、これを読み終えて、自分には到底芸人は務まらないと思いました。
自分は人を笑わせる技術が乏しい、会話が上手くない、という理由だけではないです。
日々の何気ない生活の中で考えることや、感じることひとつひとつをすべてネタ作りの糧にするのがベースになるその厳しい世界の中で、極めて深い洞察と極めて新鮮でかつ大衆に受け入れられるアイデアを作り出していくのは、並大抵のことではないと思います。

とりあえず芸人さんを見る目が、少し変わったと思います。