ドカベン ドリームトーナメント編(21) [ 水島新司 ] |
前巻で、ついに広島の投手陣最後の切り札・ストッパーとしての水原勇気選手が登板して結局ノーヒットピッチングの好投で、9回での決着はつきませんでした。
したがって延長10回表から始まるこの21巻は、この先この試合が10回の表裏ですぐに決着するのか、それとも長期戦になっていくのかを見極める巻だったと思います。
ちなみに1回戦の 対ドルフィンズ戦は長引き、延長13回にも及ぶ大熱戦でした。
一方2回戦の 対阪神戦も大熱戦でしたが、9回で決着がつきました。
したがってこの準決勝がどのくらいの長さの試合になるのかは、単純には予想できませんでした。
それでも、これまでの試合の流れからすると、自分の予想では、延長11回で決着がつくのではないかと思っています。
理由は、この試合の決着は 水原勇気投手 vs ドカベン太郎選手の2回目の対決でつくと予想しているからです。
一回目の対決は8回裏、水原投手が登板した直後の対決でした。
その時は、結局ドリームボールを最後まで投げずにバッテリーがうまく騙し切り、水原投手に軍配が上がりました。
その流れから考えて、2回目の対決でドリームボールを投げて、そしてそれをホームランしてサヨナラ、というのが最も濃厚な展開です。
そう考えると、9回裏が5番長嶋選手、6番義経選手、7番賀間選手の3人で終わり、10回裏が8番足利選手、9番里中選手、そして1番岩鬼選手の3人でしたから、2・3・4番に打席の回る11回が決着の時だと思ったのです。
さらに この21巻の中で、11回表に広島が1点勝ち越しましたから、逆転サヨナラの伏線が出来上がってしまいました。
しかもその勝ち越しの1点は、これまでずっと不調で、この試合も4打数0安打の悩める4番打者・武藤選手がついに打ったホームランでしたから、広島側のすべてのネタは出し尽くしたと見ました。
しかも、21巻の終わりの時点では、殿馬選手を1塁において、ワンアウトで4番ドカベン太郎選手に回ってきたところでしたので、これはもうどうがんばっても逆転サヨナラホームランでしょう(笑)
逆に、もしこれでこの回1点追加の同点止まりでまだまだ試合が続くという展開になるのなら、自分としては水島先生の意外性に感心すると思います。
ところで、この巻でちょっと特徴的だったのが、殿馬選手の口数(というかつぶやき数)が多かったということです。
殿馬選手はプレー中は淡々とプレーすることが多く、つぶやいても一言二言程度で、他の選手のように深読みしているときの脳内の言葉を丁寧に描写されることは少なかったのですが、なぜか今回は多めでした。
殿馬選手は、見方にもよりますが 自分の中では実はドカベンキャラクター最強の選手だと思っています。
なんといっても、あの弁慶高校の武蔵坊選手が、山田太郎選手以上に警戒して敬遠までした選手であり、守備、特に捕球のうまさは間違いなくナンバーワンだと思います。
そんな殿馬選手のうまさが引き立つのも、ひとつには口数が少ないからだったと思いますが、今回のように解説者ばりの論理展開的な話を長々するようだと、ちょっとカリスマ性が薄れてしまうかも知れません。
もっとも、おそらくあと10巻くらいでこのドリームトーナメント編も終わり、そして長かったドカベンシリーズもついに完結するということですので、今更個々のキャラクターの今後のことを考える必要もないのかも知れませんね。
いずれにしても、次の22巻、自分の予想は上記の通り、逆転サヨナラ2ランホームランで早々に終了と読みました。
もしそうならば、いよいよ微笑監督の京都ウォーリアーズとの決勝戦ですね。